トップ Companies くまもと経済EX 2010 10年後に売上高100億、社員数700人に。
くまもと経済EX 2010

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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情報通信・ICT関連
10年後に売上高100億、社員数700人に。
鰍jIS
 今年6月4日の創立40周年記念パーティーの冒頭、野田社長は「当社はこの20年間で、売り上げが約2倍の50億に、社員数も、170人から350人とやはり倍に成長しました。これからの10年間は成長のスピードも倍に上げていきたい。50周年を迎えるときには、売り上げを現在の2倍の100億に、社員も今の倍に増員する」とあいさつ。その言葉からは、新たな10年に向けて力強い一歩を踏み出す同社の意気込みが伝わってくる。 地元大手ソリューション開発会社として確固たる基盤を築く鰍jISは、今年度を新たな成長に向けてのスタートの年と位置づける。今年度の事業方針である「Challenge2010WIN4」のビジョンの下、1.経営基盤を安定させ事業規模の拡大を目指す“事業の視点”、2.CS活動を推進しWin-Winの関係を構築する“お客様の視点”、3.TQM活動を推進し、PDCAサイクルを全社員が実践する“日常業務の視点”、4.社員のスキルアップをはかり、活き活きとした風通しのよい企業風土をつくる“社員の視点”の4つのスローガン掲げる。今後10年の長期目標として◆世界に通用するITソリューションサービス会社◆「お客様や地域から信頼、愛される会社」◆「やり甲斐、夢、誇りのある会社」の3つを定め、経営力(マネジメント、財務、コンプライアンス)、事業力(事業開拓力、品質に裏打ちされた製品力・サービス力)、社員力(技術力、リーダーシップ、成長力)の一層の充実を図る。当面の目標として公共、製造、流通に続く第4の業種として通信マーケットの開拓、クラウドサービスの強化、人材の育成を目指す。
次年度に40人規模の専門部署開設を拡大する通信分野を事業の柱に
 成長戦略の柱として、同社が今後期待を寄せているのが、通信マーケットの開拓だ。「依然厳しい環境におかれているものの、通信業は好不況の影響を受けにくく、IT業界の中で今後も堅調な成長が見込める数少ないマーケットの一つ。今後大きく伸びるチャンスがある」と昨年四月の社長就任以来、野田社長は通信分野への事業開拓を積極的に推進。大手企業を主な受注先に、オペレーションシステムの開発、維持管理など、顧客向けシステムの構築に取り組むなど、着々と成果をあげつつある。「次年度には30人から40人体制の専門の部署を設ける予定」と事業拡大に意欲を見せる。
地の利生かした細やかな対応でクラウドサービスに参入
 通信分野と同じく、今後市場拡大に期待を寄せるのがクラウドサービスだ。次世代のプラットフォームとして注目集める「クラウドコンピューティングシステム」は、従来のように高性能なパソコンなどの設備投資に悩まされることなく最新のIT環境を享受できることから、大手企業を中心に徐々に普及し始めている。今後は中小企業での利用も進んでいくとの考えから、様々な用途開発が見込めるという。
 「地元企業が抱える課題にていねいに応えていく中で、きめの細かいサービスが実現できる、まさに地の利が生かせる有望な事業といえます。パソコンの管理、セキュリティー管理、販売管理など様々なサービスが展開できる余地を多く残しています。ネットワーク環境の整備を進め、地元の中堅中小企業などを対象に、地域に密着した地元のデータセンタとしての強みを最大限生かしたクラウドサービスを展開すると同時に、アウトソーシング事業も加え、自治体、水道、医療、製造業、飲料、流通、ゴルフ場向けサービスなど、得意分野への一層の営業強化につなげていきたい」。
蓄積したノウハウと経験、技術で、コスト競争に打ち勝つ
 常に進歩し、グローバル化するIT業界にあって、世界に通用するITソリューション企業としての技術力、経営力、人材力を身につけることが、グローバル化に対応するためには必要だと語る野田社長。今後取引先に対して優れた品質、サービスで応えるために、広く海外の市場にも目を向け、技術、品質に優れる製品やシステムを取り入れる。あるいは、他社にはない、自社の得意分野を生かした製品を海外の市場に投入していくなど、文字通りグローバルな事業展開が求められると。「中国企業との価格競争などが現実のものとなった現在、地方にあっても常に世界を意識した事業展開、経営がもとめられます。これまで蓄積したノウハウと経験、品質を武器に、競合に打ち勝っていかなければなりません」。
IT関連産業が集積する熊本の有利さ生かす
 技術開発のスピードアップへの対応、高次な製品開発の強化、特定の国に生産拠点を集中させるカントリーリスクを回避するなどの理由から、技術集積に優れる国内へと開発拠点が回帰する動きが活発化し始めている。先端産業の代表でもあるIT分野においても同様だ。「海外拠点の利点は、安価な製品供給にありましたが、より高度化するIT技術に対応するためには、品質、信頼性に優れた製品づくりが急務です。そうした背景から、今後一層開発拠点の国内回帰の動きは活発化するものと思います。当社でも、IT関連産業が集積する熊本の有利さを最大限生かした組織、拠点づくりを進めていく方針です」。
profile
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野田正昭 社長
のだ・まさあき/大分県大分市出身、1952年(昭和27年)2月9日生まれの58歳。福岡大学工学部電子工学科卒。74年、日本電気鞄社。97年第二C&Cシステム事業本部,通信業システム事業部第一システム部長、02年NECソリューションズ 第一システム事業本部 通信業システム開発事業部統括マネージャー、07年官庁・公共・金融・ソリューションBU,OMCS事業本部支配人。08年4月鰍jIS顧問、同年6月に専務取締役就任。09年6月代表取締役就任。趣味はゴルフ、音楽鑑賞、旅行
企業DATA
[所在地] 〒861-4108 熊本市幸田1丁目6-27
[TEL] 096-379-2231
[FAX] 096-378-4635
[資本金] 6,000万円
[設立] 昭和45年6月
[事業内容] ソフトウェア開発,アウトソーシングサービス(ハウジング,ホスティング,データバックアップ,インターネットプロバイダーサービスなど),iDC(インターネットデータセンター),システムインテグレーションサービス(システム設計・開発,システム保守,ネット,ワーク・セキュリティ構築,機器販売,機器保守など),IPソリューションサービス,当社オリジナルパッケージ販売
[年商] 3,694百万円(平成22年3月期)
[代表者] 野田正昭
[従業員] 281人
[URL] http://www.kis.co.jp/
[出先] 東京事業所
[関連企業] KISドットアイ株式会社

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2010年7月1日発行分の掲載内容です。