トップ Companies くまもと経済EX 2010 故郷(ふるさと)の再発見で、  地域経済・産業の活性化を推進
くまもと経済EX 2010

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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金融・卸・飲食
故郷(ふるさと)の再発見で、  地域経済・産業の活性化を推進
肥後銀行
第五次中期経営計画がスタート
 肥後銀行では、2010年4月から15年3月までの5年間を計画期間とする「第五次中期経営計画(お客様第一主義の再構築⇔故郷の再発見)」(以下、第五次中計)をスタートさせた。「故郷の再発見」による「お客様第一主義の再構築」のため、徹底した県内マーケットの調査・分析を行ない、お客様の立場にたった金融サービスの提供に努めることによって、企業理念である「お客様第一主義」を再構築し、お客様や地域との関係をより一層強固なものとすることを目指している。
 熊本県では11年3月の九州新幹線全線開通、12年4月の熊本市の政令指定都市移行など大きな転換期を迎えることを踏まえ、長期的展望に基づく経営計画が必要との判断から、政令指定都市移行までの2年間を第1フェーズ、その後の3年間を第2フェーズに分けて実践計画を策定した。計画では、12年3月期(第1フェーズ)までに業務粗利益615億円、当期利益100億円などの財務目標をコア目標として掲げ、また、総取扱資金量(預金等+預り資産)を2千億円増加させ、4兆円の大台を目標とし、不良債権比率を2.2%とするサブ目標を掲げている。なお、第2フェーズのテーマ及び財務計画については、11年度に新たに策定する。
農業、観光分野などへの支援を強化
 同行では、地域経済活性化に向けた取り組みとして、旅行会社と連携し実施した熊本応援キャンペーン(九州新幹線全線開通応援キャンペーン)を実施した。主力商品である「新幹線さくら積立」は、10年3月末までに契約件数は2万5千件を超えた。また、同年1月からは熊本の歴史・文化等の魅力を再認識し、熊本の良さをPRするため「ふるさと熊本再発見セミナー」を開催するなど、第五次中計で掲げたテーマ「故郷の再発見」の実践に繋がる取組みを強化している。
 また、地元企業のニーズが多様化、高度化する中、ビジネスマッチングや情報提供による販路拡大支援や経営支援などに積極的に取り組んでいる。農業分野においては、09年6月の企業や個人の農業参入支援に資する「第3回アグリビジネスセミナー」の開催をはじめ、食品関連産業の販路拡大に向けて「くまもと“食”の商談会」を継続的に開催している。09年10月の第4回商談会では、首都圏、九州に加え海外の食品スーパー、百貨店など60社のバイヤーと熊本の食品メーカー、生産者など60社が参加して、中国市場への販路開拓を求め個別の商談が行われた。
 また、金融面のサポートとして、09年6月には熊本県農業信用基金協会と債務保証契約を締結した融資制度の受付を開始したほか、10年4月からは日本政策金融公庫の信用補完スキームを利用した融資制度「ひぎんアグリサポートローン」の取り扱いを開始するなど、農業生産者の資金ニーズにより一層円滑に応えることが出来る態勢も整えている。
 一方、九州内外の自動車、半導体、ソーラー、IT、バイオ、環境関連のビジネスマッチングの場として、10年2月4日、5日に3回目となる「2010くまもと産業ビジネスフェア」をグランメッセ熊本で開催した。今回も生産連携や技術協力などの企業間の交流支援や、燃料電池・太陽光発電等の先端技術の紹介など地域経済の発展に向けた取り組みを行った。開催期間中の来場者は昨年より1,200名多い9,200名にのぼり、県内企業や大手メーカー130社の間で活発な商談が行われるなど、新ビジネス創出に繋がるステージを提供した。
豊かで美しい熊本づくりの積極的な展開
 同行は、環境保全や福祉・文化活動への支援など、豊かで美しい熊本づくりへも積極的に取り組んでいる。財団法人肥後の水とみどりの愛護基金とともに水資源保全活動に取り組んでいる団体・個人の顕彰活動やシンポジウムの開催、水源かん養林の保全・育成などの環境保全活動を継続的に実施している。
 また、銀行業務を通じた環境保全活動として、04年に九州の金融機関として初めて、環境ISO14001の認証を取得、08年には本店本館・別館に加え田崎の事務センターにも認証範囲を拡大するなど環境負荷の軽減に取り組んでいる。
 このような環境保全活動を発展・強化するために取得した「阿蘇大観の森(約52ha)」において、水源かん養林の保全・育成活動を実施している。同行では単独の植樹活動に加え、08年からは九州電力褐F本支店、TOTO梶A地場企業などと共同で植樹活動を行うなど、同行の活動の輪は着実に拡がっている。現在、「阿蘇大観の森」での植樹本数の累計は、7万7,250本にも上っている。
 07年からは環境保全啓発活動として「自分たちのまちに興味を持ち、足元から見直し、社会的な行動につなげる」官民一体となった企画として「わたしのまちの○と×・熊本」環境フォトコンテストを開催し、事務局として運営に携わっている。また、08年7月に発足した「日本の森を守る地方銀行有志の会」に発起行8行のうちの1行として参画しており、こうした活動は先進的な事例として全国的にも注目を集めている。
 また、細川家ゆかりの美術工芸品等を調査・修復するために設立された「永青文庫常設展示振興基金」や文化財修復基金への支援など、地域の歴史・文化振興に向けた取組みも継続的に行っている。
熊本のリーディングバンクとして
 同行の10年3月末における総預金残高は前期比925億円増の3兆4,089億円となった。この内、熊本県内の総預金残高は3兆2,749億円で全体の96.1%を占めている。
 総貸出金は2兆2,603億円と60億円の減少となったが、熊本県内においては、地元中小企業や個人に対して積極的に対応した結果、前期比291億円増加の1兆6,861億円となった。また、同行では10年1月「金融の円滑化に関する基本方針」を定め、全営業店、ビジネスローンセンター、各ローンプラザに「金融円滑化ご相談窓口」を設置するなど、金融円滑化への取り組みも積極的に行っている。こうした点からも同行は社会貢献活動や最適な金融サービスの提供を通じて、地域経済の発展と地域社会への貢献という地元銀行としての使命を果たすため、積極的な取り組みを行っている。
profile
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甲斐博 頭取
かい・たかひろ/熊本市出身、1951(昭和26)年4月生まれの59歳。慶応義塾大学商学部卒業後、75年同行入行。大津支店長、福岡支店長などを経て2000年4月理事福岡支店長兼福岡事務所長、01年6月取締役、03年6月常務、06年6月専務、07年6月代表取締役専務、08年6月代表取締役副頭取。09年6月頭取に就任。
企業DATA
[所在地] 〒860-8615 熊本市練兵町1
[TEL] 096-325-2111
[設立] 大正14年7月
[事業内容] 普通銀行業務
[年商] 181億円
[従業員] 2,028人
[URL] http://www.higobank.co.jp
[出先] [拠点数] 123

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2010年7月1日発行分の掲載内容です。