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くまもと経済EX 2010

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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医療・医療関連・教育
電子カルテを中心に、医療のIT化を積極的に支援
叶シ日本メディカル
2月にメディコム製品展示会を開催
 医療事務用コンピューターシステム販売の叶シ日本メディカル(熊本市平成3丁目)は、今年2月17、18日の2日間、メディコム製品を紹介する「デラックス展示会2010」を熊本市の興南会館で開催した。会場では、医科向け「電子カルテ」、調剤薬局向け「電子薬歴」をメーンに周辺機器やシステムを展示し、同時に「2010年度診療報酬改定」と「レセプト収益分析」をテーマのセミナーも開いた。2日間で約150事業所、300名近い来場者があり、辻社長は「ドクターの電子カルテに対する関心の高さがうかがえた」と話すように手ごたえを感じた展示会となった。
レセコンの県内シェアトップ企業
 同社は、昭和51年の創業以来、熊本県におけるレセプト(診療報酬請求用)コンピュータメーカーのパイオニア企業として、県内シェアトップの座を誇っている。今年度は、診療報酬改定が行われ、10年ぶりのプラス改定となったが、「2年に一度の改定時に、全社を挙げてお客様にストレスを感じさせない迅速なサポート体制を採っている」と語る辻社長。医療機関へのこうした対応の早さが、顧客から信頼を得ている。サービスの質の低下を防ぐため、営業スタッフの増員や、サポート部門の人員も増やすなど体制の強化を進めている。創業期を経て、第二創業期に入った同社は、これまで30年間余にわたり築いてきたユーザーとの信頼関係に、さらに磨きをかけている。
「電子カルテ」が医療IT化の主役に
 全国的に見ても病院、医院の新規開業の際の電子カルテ導入率は、トップメーカーであるサンヨーだけでも70%ほどで、他メーカーまで入れると80%強にのぼるといわれている。その理由としては、すでに大学病院等にはほとんど電子カルテが導入済みで、そこから開業するドクターは、そのまま電子カルテを導入するケースが多くなっている。「当社は、内科を筆頭に耳鼻科、眼科、精神科、皮膚科、小児科など電子カルテの導入事例がある。その8割が新規開業のお客様で、開業のときからお付き合いさせていただいている」と語る辻社長。開業時の電子カルテ導入には2週間ほど付きっ切りで、動線からそのクリニックにあった独自のシステムに組み上げていく。「開業では、西日本メディカルさんには、一番お世話になったと必ず言っていただける」と自信を見せる。
『お客様第一主義』を実践
 医療IT化の主役になると見られている電子カルテシステムだが、運用するのは「人」である。そのため辻社長は、「ドクターやスタッフ様など使用する側の要望を反映させた形での保守・メンテナンスの専門的なスキルと、一定数のスタッフを揃えたバックアップ体制が必要」と企業としての総合的な運用サポート体制の必要性を提言する。
 業界内の競争も激しくなっており、県外企業の参入で価格競争にもなってきているが、こうしたときこそ同社が掲げる“安心と信頼”の経営理念が光を放ってくる。「価格は安いが、アフターフォローなしの売りっ放しという無責任なビジネスはしたくないし、長続きもしません。先生方との間に信頼に裏打ちされた永続的な関係を築けるとは思えない」と辻社長は言い切る。「緊急の場合のサポートもすぐに対応出来る。診療をストップするわけにはいかないので、県下どこでもただちに飛んでいける体制をとっておかなければならない」と態勢を組んでいる。専門知識を持った自社スタッフによる安心感のあるサポート体制の提供がまず基本にあり、その上で初めて電子カルテなど病医院の健全経営に向けた新システムの提案が可能となる、というのが辻社長やメーカーの考え方の基本であり、「万全のサポート体制の上にしか、“先生方のお役に立てる西日本メディカル”は存在しません」と徹底した『お客様第一主義』を採っている。
常に必要とされる企業を目指して
 社長に就任して4年目となる辻社長。「自分も会社もまだまだ発展途上で、成長段階にあります。当社のサービス体制にはまだ不十分な点も多々あります。全社を挙げて、さらにお客様に満足いただけるサービス提供に心がけていきたい」と一層のサービス向上を目指している。「皆様のお役に立つ企業、地域に貢献できる会社を目指している。熊本で育ててもらった会社であり、少しでも地域に恩返ししていきたい。常にお客様のより近くにいて、常に必要とされる企業であり続けたい」と辻社長自ら先頭に立ち企業を引っ張る。
profile
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辻詔一郎 会長
つじ・しょういちろう/1942年(昭和17年)10月8日生まれ67歳。熊本市出身。県立済々黌高校卒。昭和51年、日本メディコムの特約店として個人創業。06年9月から現職。「機械を売るのではなく、人間性を買っていただけ」「買っていただいた時から、本当のお付き合いが始まる」が信条。
profile
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辻正治 社長
つじ・まさはる/1969(昭和44)年9月25日生まれの40歳。熊本市出身。辻詔一郎会長の長男。熊本商科大学付属高校−熊本電子ビジネス専門学校情報処理科卒。90年三洋電機入社、主に商品の企画・開発を担当する。97年に企画室長。趣味はスポーツ全般。「義理を欠かさない。人情を忘れない」が生活信条であり仕事のスタンスでもある。くまもと21の会副会長。 
企業DATA
[所在地] 〒860-0833 熊本市平成3丁目16-13
[TEL] 096-379-6611
[資本金] 1,000万円
[設立] 1978(昭和53)年2月
[事業内容] 医療事務用コンピュータ「サンヨーメディコム」の販売、電子カルテシステムの販売、メンテナンス、プログラム開発、情報処理サービス、医療事務養成校「日本メディコム学院」の運営、医療事務に関するコンサルティング業務 
[年商] 4億8,000万円(平成21年6月期)
[従業員] 30人
[URL] http://www.n-medical.co.jp/
[関連企業] 泣潤[ク情報システム

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2010年7月1日発行分の掲載内容です。