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くまもと経済EX 2010

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「住宅計画は土地選びから」を社会へ訴求し 不動産業界のリーディングカンパニーを目指す
渇。田産業
独自の経営理念を貫き設立30周年
 「良い土地は良い家を築く」を理念に宅地開発を進め、3月で設立30周年を迎えた渇。田産業(熊本市江津1丁目)。
 同社は不動産業を柱に創業し、今では幅広く宅地の開発や分譲地の運営も行っている。高校を卒業後14年間、東京の建設会社に勤務した横田社長は、1千区画ほどの宅地造成に携わっていたという。
 「30年前、地元の土地を切り開き、人々の誰もが夢見る『家』の素となる宅地を造りたいと思い起業しました。起業当初は、開発できる土地も多く、小規模の宅地開発を幾度も経験しました。今では80区画ほどの分譲地も運営していますが、当社がこのような分譲地を開発できることもご協力いただける不動産や住宅メーカーの方々のおかげです」と起業からこれまでを振り返る。
合志市須屋に分譲地「エコタウン須屋陽光台」を開発
 2008年、同社は約2億2千万円をかけ、一つの分譲地開発に着手した。それは合志市須屋の「エコタウン須屋陽光台」だ。
 開発場所は、国道387号沿いの熊本高等専門学校東側。敷地面積は約3万5千uで89区画。売れ行きは好調で分譲終了も間近という。この分譲地は県内住宅メーカーの協賛を得て運営し、今年8月までモデルハウスが7棟展示されている。横田社長は、「メーカー各社は斬新な設計で、十人十色の考え方を持っている。メーカー各社の持ち味を生かし、分譲地に反映させています」と展示場の運営に関しリーダーシップを発揮。「今後、建設業界では住宅メーカー同士が争うのではなく、互いの良いところを学び合い、力を携えるべきではないか」と話す。
環境保全を目的に太陽光発電システムの普及を推進
 「陽光台」では、宅地購入者に太陽光発電システムの設置を促す「エコタウン計画」を実施している。これは同社が設立30周年を記念し行う事業で、システムの設置希望者には同社が30万円の補助を行うというもの。
 現在は89区画のうち約60区画には設置が決まっており、まさに太陽光発電の普及を目指す県に対しても多大なる貢献をしていると言えるだろう。
 横田社長は「自然エネルギーの中で住宅に利用できるのは太陽光。環境保全や暮らすために必要なエネルギーを考えると、お客さまや地域にも貢献できる」と積極的だ。
宅地の委託販売を開始
 これにとどまらず、次々と宅地開発を進める同社はこのほど、合志市野々島で約1億1千万円をかけて分譲地「西合志東原ひまわり台」を開発。5月から分譲を開始した。
 場所は西合志中学校東側、敷地面積は約2万uで分譲区画数は57区画。この分譲地も価格の設定や「エコタウン計画」が追い風となり既に半分以上の分譲が終了している。横田社長に売れ行き好調のわけは?と尋ねると「住宅メーカーさんのご協力と当社の営業・開発戦略だと思います」と一言。
 同社では、開発後の宅地や良い物件の情報を住宅メーカーの一社員の携帯電話に直接配信。宅地を各メーカーに委託販売するという独自の販売システムを構築した。これは販売契約を結んだメーカーが、優先的にその宅地で住宅を建てることができるシステムで、メーカー側からも絶大な支持を得ている。住宅を建設するメーカーを公平に募ることが狙いだ。
顧客需要を意識した開発戦略
 横田産業では、同業者が目を付けないような広い農地や森林地を選び一度に宅地として造成、時間とコストの削減を図り、価格に反映させているという。また大半の家庭で主婦が住宅建設に関し決定権を持っていることに着目。ターゲットを女性へ切り替え、女性顧客が購入しやすい宅地の開発に取り組んでいるほか、分譲地ならではのメリットを生かし、物件価格に大きな差がないため同世代の顧客が集まりやすいこと、入居時期が一定のため近所付き合いも楽にできることなどを社会に訴求している。
 さらに各年代の顧客層に対応するため、それぞれのニーズに合った宅地を開発しているという横田社長は「例えばお子さんのいる30歳代の顧客層を考えると、教育機関や公園に隣接している土地には興味を持っていただける。70歳代の夫婦ならば、医療・福祉施設などが充実している地域がふさわしい」と開発場所に関し説明する。
今後もさまざまな宅地の開発に挑戦
 独自の戦略で不動産業界をリードしている横田産業。同社は現在、熊本市小山1丁目で5区画、富合町で9区画、飛田1丁目で6区画の宅地開発を進めているほか、7月6日付で同業社が運営していた分譲地「プラントピア植木」の残区画(59区画)を取得、近く整備を加え分譲・委託販売する予定だ。場所は熊本市植木総合支所近く、面積は約1万3千u。これは一から宅地を開発するのではなく、整備だけを加えることで開発コスト・時間を低減することが狙いという。
 横田社長は「良い住宅を建てるには必ず上質な土地が必要です。今後も社会ニーズを見極めながら、お客さまや住宅メーカーの方々が満足いく宅地を開発し委託販売してきたい」と不動産業界のリーディングカンパニーを目指していく。
profile
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横田徳二 社長
よこた・とくじ/球磨郡あさぎり町出身。1943(昭和18)年10月15日生まれの66歳。熊本県立南陵高等学校を卒業後、14年間東京の建設会社に勤務。80年に渇。田産業を設立。趣味は仕事と登山
企業DATA
[所在地] 〒862-0942 熊本市江津1丁目15-6
[TEL] 096-372-3005
[FAX] 096-372-2985
[資本金] 1000万円
[設立] 1980(昭和55)年3月
[事業内容] 宅地開発、不動産業など
[年商] 6億5千万円
[従業員] 5人
[URL] http://yokotasanngyou.com

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2010年7月1日発行分の掲載内容です。