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くまもと経済EX 2011

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操業開始から35年 Honda国内唯一の二輪生産拠点として 組織全体で“技術”の磨き上げ展開
本田技研工業株式会社熊本製作所
二輪車・汎用エンジンの量産を担う本田技研工業褐F本製作所。
Honda国内唯一の二輪生産拠点として、
海外への技術指導などマザー機能の強化も進めている。
Hondaのモノづくりを支える技術と人材を熊本の地で培っていく。
中・大型二輪車の生産移管が完了
 1976(昭和51)年の操業開始から今年で35周年を迎えた本田技研工業褐F本製作所(大津町平川、渡部勝資所長)。同製作所では、二輪車、汎用エンジンなどの量産を担っており、エンジンや各部品の生産加工から、完成車組立までを一貫して行っている。2008年4月には、敷地内に建屋面積約6万4千uの新二輪工場が完成。同社浜松製作所(静岡県浜松市)などで生産していた中・大型二輪車の生産移管を進めてきた。今年2月、これまでアメリカ工場が担当していた二輪としては同社最大の排気量1832tのGL1800(ゴールドウィング)の生産を開始し、すべての生産移管が完了。「カブ」シリーズから6気筒・排気量1800t超の大型車まですべての二輪車を生産する、Honda国内唯一の二輪生産拠点となっている。
人と地球に優しい“グリーンファクトリー”
新二輪工場は、「人と地球に優しい工場」がコンセプトとなっており、Hondaの最新鋭の高効率生産技術を取り入れ、既存工場と比較してCO2の排出量を約20%削減した“グリーンファクトリー”となっている。その他環境への取り組みとして、熊本製作所敷地内にあるホンダソルテックが製造したソーラーパネル約1500枚を屋根部分に設置しているほか、地下の風穴(ふうけつ)から流れる年間通して18℃の空気を空調の一部に利用している。また、貯めた雨水を屋上に霧状に散布することで、蒸散作用で温度を下げる仕組みなども導入している。
低炭素モビリティー社会実現へ実証実験
 同製作所では昨年から、熊本県と共同で「次世代パーソナルモビリティー実証実験」を進めている。実験には、熊本製作所で製造する電動カートモンパル(ML200)、電動二輪車(EV-neo)を使用、また、来年後半からは電気自動車(EV)やプラグインハイブリット車も投入する計画だ。県内各地で、二輪車・四輪車・汎用製品の電動化技術や充電ステーションの検索などができる情報技術、太陽光発電によるエネルギー供給などを用いた総合的なアプローチで、将来の低炭素モビリティー社会実現に向けた検証を行っている。
電動二輪「EV-neo」量産開始
 実証実験でも使用している電動二輪車「EV-neo」は、昨年12月から量産がスタート。「EV-neo」は原付一種の電動二輪車で、Hondaのハイブリット車・インサイトの技術などを応用した自社製のモーターなどを採用している。現在は、官公庁、法人、個人事業主に限定したリース販売のみで対応している。今後も環境性能に優れた製品の提供を通し、地球規模でのCO2削減を目指していく。
技術開発によって競争力高める
 海外の生産拠点を支援するマザー機能も熊本製作所が持つ大きな特徴の一つ。世界20カ国27拠点の二輪のマザー工場として海外生産部品を供給しているほか、同製作所の従業員が新工場や新機種の立ち上げ、新しい技術の投入などを担当。海外拠点をHonda独自の考え方、手法でオペレーションする“ホンダ・フィロソフィー”の伝承を行っている。
 二輪市場でも、海外との競争が激しさを増している。渡部所長は「“モノづくり”の中に“技術”がある。コストダウンの技術を含め、技術開発によって競争力を高めたい。“技術”の更なる磨き上げを熊本製作所の組織全体で展開していく」と意欲を語る。国内唯一の二輪生産拠点、また世界のマザー工場として、Hondaのモノづくりを支える技術と人材を熊本の地で培っていく考えだ。
企業DATA
[所在地] 〒869-1293 熊本県菊池郡大津町平川1500
[TEL] 096-293-1111
[FAX] 096-293-8280
[設立] 1976(昭和51)年1月 (操業開始)
[事業内容] 二輪車・汎用エンジン・汎用製品製造
[従業員] 約2870人
[URL] http://www.honda.co.jp/kumamoto/

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2011年7月1日発行分の掲載内容です。