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製造・農業

Ｓ/Ｏ技術活用し商品開発市場から求められる“ものづくり”を推進

リバテープ製薬株式会社

医薬品の吸収促進技術「Ｓ/Ｏ技術」を応用した
商品開発を進めているリバテープ製薬。
主軸となっている医療機関向けの分野でも、
新製品を投入し更なる市場拡大を狙う。
国内外での市場の声が同社の“ものづくり”を進化させている。

Ｓ/Ｏ技術活用の「ＶＩＶＣＯ」

　リバテープ製薬㈱が、昨年末に発売したオイルゲルシート「ＶＩＶＣＯ（ビブコ）」が大きな話題を呼んでいる。同製品は、九州大学の後藤雅宏教授が国際特許を持つＳ/Ｏ（Solid-in-Oil）技術を応用して商品化したもの。Ｓ/Ｏ技術とは医薬品の吸収促進技術で、肌に浸透しにくい水溶性成分を肌に浸透しやすい油性成分にナノレベルで溶け込ませ、肌の奥深くまで成分を浸透させることができるという特徴を持つ。発売した「ＶＩＶＣＯ（ビブコ）オイルゲルシート」は、肌の美容効果があるとされる水溶性のヒアルロン酸をＳ/Ｏ化して配合。目元などに貼り付けることで、成分を肌に浸透させる商品だ。同社ではこの技術を使った新たな商品開発を積極的に進めており、今年8月末には、唇の美容液（リップバーム）も商品化。他にも化粧液などでの商品化を計画しており、通販などでも販売していく考えだ。

薄さ追求し7μのフィルムを開発

　昨年5月に熊本県工業大賞・奨励賞を受賞した、厚さ10ミクロンの極薄フィルム「フレックスケア」もリニューアルを進めている。技術開発を進め、薄さをさらに追求。厚さを7ミクロンにまで薄くしたほか、貼り付けの手順を現在の4段階から2段階に簡素化。より使い勝手の良い商品として今年9月の市場投入を予定している。同商品は、非常に薄い透明フィルムのため、柔軟性、伸縮性に優れており、貼付中の違和感がほとんどないというのが最大の特徴。リニューアルで機能がさらに向上することから、個人向けの販売以外にも、医療機関向け商材として創傷面の被膜保護、注射針・カテーテルなどの穿刺部の固定や被膜保護用のテープとしての活用を国内外に提案していくという。

医療用消毒剤にも新商品を投入

　社名にも冠している家庭用ばんそうこう「リバテープ」を開発したことで知られる同社だが、現在の「リバテープ」の売上に占める割合は1/4以下。5割以上を占める医療機関向けの製品群に主軸を移し、売上を伸ばしている。中でも、中心的な役割を果たしているのが自社開発の個別包装の外用消毒剤。「スワブパット」「スワブスティック」「薬剤綿球」など使用用途に応じた製品を開発し、全国約5000を超える医療機関で採用されている。今年度は病院の手術室などで使用できるように、減菌タイプの「スワブスティック」を商品化。さらなる市場拡大を狙う。

海外展開も強化

　海外展開にも積極的に取り組んでいる。毎年秋にドイツで開催される世界最大の医療用品国際展示会「ＭＥＤＩＣＡ」にも4年連続で出展。ブースにはリピーターを含め約170人の来訪があり、この展示会をきっかけに、ロシア、中国、ＵＡＥ、タイ、スーダンなどの国との取引を開始した。今秋には5回目の出展を予定しており、消毒剤や極薄フィルムなど医療機関向け商材の海外展開を強化していく考えだ。

自社技術を多面的に展開し商品開発

　海外の展示会には営業のスタッフに加え、技術開発のスタッフも一緒に現地のブースに待機。販路拡大以外にも海外の企業との技術的な交流を図ることで、新たなビジネスチャンスを生んでいるという。「今後も国内・海外を問わず、市場から求められる“ものづくり”に力を入れていく。今ある当社の技術を多面的に展開し新商品の開発を進めていきたい」と意欲を話す杉山社長。医療分野を中心とした“ものづくり”への飽くなき情熱で、新たな市場の開拓を推進していく。

profile
杉山宏治社長
すぎやま・こうじ／宇城市小川町出身。1943（昭和18）年8月12日生まれ、67歳。67年同社入社、76年取締役営業部長。84年常務取締役、96年から現職。趣味は釣り

企業DATA

[所在地]　〒861-0136 熊本市植木町岩野45

[TEL]　096-272-0631

[FAX]　096-275-1064

[資本金]　1億円

[設立]　1960（昭和35）年5月

[事業内容]　医薬品・医療機器・医薬部外品・化粧品・健康食品の製造販売　

[年商]　約40億円（11年3月期）

[代表者]　杉山宏治　社長

[従業員]　250人

[URL]　http://www.libatape. jp

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※この記事内容は、くまもと経済ＥＸ：2011年7月1日発行分の掲載内容です。