トップ Companies くまもと経済EX 2006 「地球・環境・資源」をコンセプトにトータルリサイクル企業を目指す
くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

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製造・農業
「地球・環境・資源」をコンセプトにトータルリサイクル企業を目指す
潟Jネムラエコワークス
ELVリサイクル率99.4%を実現
 鉄・非鉄金属の加工処理や産業廃棄物の処理を主業務に循環型社会の実現に向けて事業活動を行う潟Jネムラエコワークス(宇土市岩古曽町、金村康平社長)。社会から求められている理想的なリサイクルシステムを確立するために「地球・環境・資源」を企業コンセプトに最先端のマテリアルリサイクル技術とサーマルリサイクル技術を駆使したトータルリサイクル企業を目指している。
 同社は、九州一円から発生する金属資源を有効にリサイクルするために、現在、宇土市の本社・工場の他に、熊本工場(熊本市)、鹿児島工場(鹿児島市)、加治木工場(鹿児島県姶良郡)で操業している。金属資源を処理対象物の形状にあわせて処理・加工し、鉄は製鋼原料として鉄鋼メーカーへ、さらに、アルミ・銅などの非鉄金属は磁力・風力・比重などの選別方法を用いた同社独自の技術ラインで回収し、それぞれを再生メーカーに納入している。
 その中でも全国的に注目されているのが、同社の自動車トータルリサイクルシステムだ。同システムでは、まず「ELV(使用済み自動車)リサイクル前処理工場」において、自動車に残存する有害なバッテリー・フロン・燃料・廃油・エアバックを適正に処理し、部品などの有用物を再利用するために解体。その後シュレッダーで破砕されたELVは、鉄・アルミ・銅その他の非鉄金属に選別して回収され再生資源として活用している。同リサイクルシステムでの、メタル処理能力は月間約1万8千5百トン、年間では約22万トンを有している。また、ELVなどを破砕・選別・回収する過程で発生する、年間2万7千トンのASR(廃車の破砕時に発生するゴミ)は、埋め立て処理すことなく発電燃料として再利用し、余剰電力は電力会社を通じて、一般家庭に供給しており、カネムラエコワークスのELVリサイクル率は99.4%まで高めている。各ラインにおいて適正処理を効率よく確実に実施するために、常に最新設備を導入し、リサイクルの検討やラインの改善を行っている。
未来への新技術「熱分解ガス化溶融発電システム」
トータルリサイクルシステムを確立させるためASRを燃料とする「熱分解ガス化溶融発電システム」を平成10年に世界初導入。これまで埋立処分を余儀なくされていた、シュレッダーダスト(シュレッダーの金属回収ラインで鉄・非鉄金属の有価物を回収した後のゴミ)を発電燃料とすることで、マテリアルと併せてサーマルリサイクルを確立し高いリサイクル率を実現している。また、同システムは資源を最大限に回収し、有効活用する共に、最終廃棄物の発生を従来の1 0 0分の1以下に抑えている。廃棄物の焼却処理で発生するダイオキシン問題へも、同社は法規制で定められたダイオキシン発生濃度基準より厳しい自社数値を設定。定期的に測定・検査を行い、環境保全に努めている。
 特にこの施設は、平成17年度より施行された「自動車リサイクル法」のもと、経済産業大臣・環境大臣が認定した再資源化施設として、全自動車メーカーから指定を受け使用済み自動車の有効なリサイクルに貢献している。
福岡工場の新設し、100億円企業を目指す
近年、環境産業が注目され、廃棄物関連の法的なルールがますます厳しくなる中、同社では、既に認証取得済みであるISO1 4 0 0 1を中心にEMS活動(環境マネジメントシステム)を継続して積極的に取り組み、コンプライアンスを全うし、企業の社会的責任を果たすことに注力している。 
また、人材育成や投資も積極的に進め、これまで培ってきた技術とノウハウを生かした適正な事業活動ができる体制を築く。さらに、九州全域を担うリサイクル業者として、より効率的かつ迅速にお客さまの声に応えるべく、福岡工場の新設を計画中である。九州のセンターラインを強化し事業の拡大を図り、2010年までに100億円企業を目指す。これからも最先端の技術を駆使した「循環型社会」の実現に向けて事業を邁進し、人間と自然が共存できる、理想的な未来のためにカネムラエコワークスの挑戦は続いていく。
総合リサイクル業の確立を
 これまでの鉄・非鉄の処理加工、自動車リサイクル事業を柱にあらゆる資源リサイクル事業を展開してきた同社。今後は、基幹事業を中核として、医療や建設廃棄物処理の他、紙・OA機器など、あらゆる資源のリサイクル事業活動に取り組む。さらにこれらの廃棄物を適正に処理するためにASRの処理に適しているガス化溶融プラント以外のリサイクルプラント導入も検討。全国にも類を見ない真の総合リサイクル業を確立させる。
企業DATA
[所在地] 〒869-0412 熊本県宇土市岩古曽町2063番地1
[TEL] TEL0964-22-0715
[FAX] FAX0964-22-2725
[資本金] 2100万円
[設立] 創業 平成4年
[事業内容] 金属資源リサイクル事業、自動車リサイクル事業、自動車中古部品販売事業、各種構造物解体事業、一般・産業廃棄物処理事業、環境関連事業
[代表者] 金村 康平
[従業員] 190人
[出先] 熊本支店・工場、鹿児島支店・工場、加治木工場、ELVリサイクル本部
[関連企業] 潟Jネックス、鰍−テクノス、潟Gコロジック、潟Gコフレンドリー

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。