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お届けするのは快適でスタイリッシュなフォーマルウェアとその一着に出会う喜びです
株式会社ビレッグ
税理士事務所に勤めるある女性職員が着目した公務員向けのレディーススーツの販売。
それが婦人服製造販売の潟rレッグの始まりだ。その当人である栗田トシ子社長は、
持ち前のバイタリティーで長年双方の仕事を両立させ、独立後も同社を成長させてきた。
創業から41年を迎えた今年、服飾に携わる企業として新たな挑戦に踏み出す。
27歳、二足のわらじで奮闘
 くまもと経済が調べた県内約4400社中に含まれる数210社。これは県内の女性経営者の企業の数だ(くまもと企業白書2010より)。全体に占める割合は4.7%という数だが、その中には独自性の高い事業や女性経営者ならではの感性を生かした舵取りで経済界の大海原を安定して航行する企業も多い。昨年創業40周年を迎えた婦人服製造販売を手掛ける潟rレッグ(熊本市城南町、栗田トシ子社長)もそんな企業の一つだと言える。
 栗田社長が創業したのは27歳のとき。当時税理士事務所の職員として働いていたが、今のように企業の中で女性がバリバリと働くような時代ではなかった。それでも専門性の高い職場や、学校・役場などといった公務員として活躍する女性は多かったが、働く女性のためのスーツ等はまだあまり存在せず、今のようにバリエーションも豊富ではなかった。そこに着目したのが始まりで、仲間5人でスタートした。提供するデザインや機能性を備えたスーツは、単なる服飾の販売ではなく、女性に職場でより楽しく働くための提案でもあり着実に顧客数を獲得していった。数年後には顧客先への訪問などでかなりの時間をとられるようになったが、驚くのは創業後も勤めていた税理士事務所からの要請もあり20年間二足のわらじで走り続けてきたことだ。事務所の仕事も多忙で、ほとんど寝る間もなく仕事に没頭した。その間婦人服販売の売上も着実に伸ばしていき、ほぼ毎年対前年をクリアしてきている。「努力を努力と思わない、苦労を苦労と思わない」栗田社長は否定するが、創業時に数々の壁を乗り越えてきた経験が、税務に関する知識とあいまって現在も安定して多くの顧客に支持される「ビレッグ」を作り上げているのは間違いない。
肝心なのは流行の少し先を見た商品力と人間力
 1990年に法人化してからは、営業体制をさらに充実させていく。熊本を拠点とし、宮崎、大分、鹿児島など九州一円に広がっていた顧客層をさらに拡大。福岡には「ビレッグ福岡」を置き、都市圏においてきめ細かなサービスを展開する。そうした営業活動の中で、もっと女性一人ひとりの個性や好みに答えることはできないか、もっとこだわりぬいた服飾をお客さまに提供できないかと思案するようになる。そして自社ブランド「T・kurita」を立ち上げ、2002年には企画から製造までを手がける体制を整えた。服飾の命ともいうべき素材の糸には特にこだわり、相当数のものを吟味。気になるものがあると試作をし、その質を確かめる。服飾はその流行の移り変わりの早さから、新しいデザインのものはせいぜい3年経つと取り残され着れなくなってしまう。素材にこだわり質の高い製品を提供する同社では、「せっかく買っていただくお客さまにできるだけ長く着て頂きたい」という思いから安易に“流行”を追いかけるのではなく、その少し先までを見据えた服飾の提供を心掛けている。
 ビレッグの持つ力は何も商品ばかりではない。その成り立ちから、今も官公庁や病院、学校など職域への営業に特化する同社では、顧客先を訪問する販売員の力も高い。それは“営業力”といったものだけではなく、どちらかといえば“人間力”と言ったほうがよりぴったりかもしれない。日々の業務において、顧客がどういったものを好み、次にどんな服を提案できるのかを知ることが必要だが、そのためには相手の話をしっかりと聞けるかが鍵になる。「お客さまも働く私たちも喜べる仕事を心掛ける」ことを目指すビレッグスタッフは、顧客にとって単なる担当営業員ではなく信頼感から時には世間話を弾ませる友人のような関係を構築しており、質の高いサービスにつなげている。
クールビズの普及に貢献
 創業以来「婦人服専門」にこだわり、追求してきたビレッグは創業から41年目の今年、新たな分野にチャレンジする。それは紳士ものも含めた「かりゆしウェア」の販売だ。
 思い立ったのは今回の原発事故による電力不足の問題。これまで服飾の分野を通じて働く人を中心に「より快適に、より楽しく」を提供してきた企業として、この難局にクールビズの普及・推進に一役貢献できないかという思いで行動に移った。沖縄生まれのかりゆしウェアは、暑い時期に心地よく着こなせワイシャツとネクタイに代わるホワイトカラーの夏季スタイルとして知られる。地元沖縄や鹿児島などを中心に夏季の正装として愛用されているほか、国会議員も多く着用する。デザインバリエーションも豊富で、ビジネスでも充分に着こなせるとあり銀行や一般企業でも導入するところが見られるようになってきた。「熊本の風土でどう捉えられるかは未知数。一つの提案として一人でも多くの方にクールビズを実践していただきたい」。今夏、地元沖縄から直接取り寄せ紹介していく予定だ。同社の根底に今も変わらず流れる、創業時の“挑戦する気持ち”を強く感じる。
企業DATA
[所在地] 〒861-4201 熊本市城南町坂野2129
[TEL] 0964-28-5500
[FAX] 0964-28-7789
[設立] 1990年4月 [創業] 1970年6月
[事業内容] 婦人服製造販売
[代表者] 栗田トシ子
[従業員] 23名(グループ計)
[関連企業] クリタアパレル

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2011年7月1日発行分の掲載内容です。