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くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

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青果流通に新たな風を吹き込む卸売市場
熊青 西九州青果
 
1959年の会社設立以来、生産者が丹精込めて作った青果物を多くの消費者に届け、青果流通の一翼を担う熊青西九州青果梶i熊本市田崎町、中山益文社長)。昨年3月にビービーネット梶i大阪市、田中英司社長)のグループ企業となり、新鮮な青果物を低コストで効率的に流通させる新しい青果市場を目指している。
 また、ビービーネット鰍ェ中小規模専門店総合支援事業を通じて蓄積してきたノウハウを青果流通に活用。生産情報から決済までを一元管理することにより、青果流通に関わるすべての人々がメリットを享受できるような仕組み作りに挑戦している。
 さらに11,000社の外食店、製菓・製パン店会員を有するビービーネット鰍フ会員ネットワークを活用し、販売チャネルを拡大。熊本から全国へ青果物の拡販に努めている。
セリ場と社屋が完成、ISO22000の認証取得も目指す
 同社は今年4月、セリ場と社屋をリニューアルした。セリ場には新たに休憩所を新設し、市場内の全面禁煙を実施している。老朽化していた社屋は改装し、2階にあった現金精算所と総務などの管理部門を1階へ。営業部門が情報伝達をスムーズに行い一体感をもって業務に取り込めるように、1階から2階へワンフロアに一本化した。
 また同社は、外食店やスーパーなどからの流通や鮮度管理に関するニーズに応えるため、食品安全マネジメントシステムISO22000の認証取得に取り組んでいる。エンドユーザーからのサプライヤー選別基準になりえるため、プロジェクトを作り業界初の認証取得を目指している。
料理教室を通じ、生産者と消費者が意見交換
 消費者に安心で安全な青果物を提供するため熊青西九州青果鰍ヘ、微生物を活用した土壌改良剤の使用と生態系を応用した農法で生産した野菜ブランド「夢げんき野菜」を積極的に展開している。
 「夢げんき野菜」は、こだわり野菜を作る生産団体「実咲会(みさきかい)」が生産するビタミン、ミネラルを豊富に含む、農薬使用量を大幅に削減した野菜。この良さを消費者に知ってもらうため、今年の3月から「夢げん
き野菜」を使った料理教室を開催している。
 大島孝元菊南観光ホテル総料理長を料理アドバイザーとして招き、毎回約40人の主婦と数名の生産者が参加。料理教室の食材に「夢げんき野菜」を提供し、積極的にPRしている。また生産者の苦労を伝えながら、消費者のニーズを聞く意見交換の場として有効的に活用している。
関西地区の仕入れ窓口となる大阪営業所を開設
 今年を営業の年と定め、昨年9月の営業推進室設立から積極的に営業展開を図ってきた熊青西九州青果梶B設立当初、月商2,000万円で推移していた営業推進室の売り上げも現在では順調に伸び月商5,000万円と堅調に市場を拡大させている。
 現在、営業推進室の売り上げの半分を占めるのが大阪のクライアント。売り上げの増加に伴い、出張や電話、メールなどでは顧客のニーズに継続的に応えることが困難となってきたことから、ビービーネット鰍フ社員を1人出向させ大阪営業所を開設した。
 ビービーネット鰍ナの営業経験を活かして関西地区の顧客を増加させることが目的。さらに関西地区の仕入先を開拓し、仕入れ窓口として機能させることを目指している。
 年内には東京営業所の開設を検討している同社。関東以北の産地と顧客開発に力を入れ、年商5億円を目標にしている。消費者に求めやすい価格の青果物を供給し、多様化した販売チャネルに対応した販売を行うため、全国を視野に入れ積極的に営業展開に努めている。
ブランド米「夢の華」の育成権を取得
 消費者に安心・安全な青果物を供給する熊青西九州青果梶B青果物の安定供給を図るため生産者の育成にも力を入れている。
 同社は06年6月、民間のブランド米「夢の華」の独占的育成者権を樺島美雄商店(滋賀県草津市)より取得。熊本県下のJAや生産者と連携し、県内の希望者に作付け、生産を委託する。
 生産者の安定的な収入源確保と育成を目的に、農業復興の支援として遊休地と減反地を有効活用する。生産された米は同社が種籾を支給し、これまで生産していた米よりも高価格で生産者から全量購入。また他の米のように入札制度は一切なく、価格変動はしない。初年度の生産計画は作付面積250ha、収穫量1,250t、5年以内に売り上げ20億円を目指す。
  販売先は、自社の販売ルートを通して大手外食フランチャイズ等に販売。現在、関西地区のスーパーに中卸を通じて案内を始めている。
 これまでと異なる生産と流通のマーケティングに挑戦する同社。戦略商品となりえる可能性を秘める「夢の華」の生産システムを構築し、販売と生産者支援の強化を図っていく。
グループ企業と連携し生産者を支援
 生産者支援を強化する同社は、グループ会社のビービーネットファイナンス梶i大阪市)と連携し、アグリカルチャーファイナンスを展開することを現在、計画中だ。
 一時的なファイナンスが多い農業関係者へ、ほかの金融業者よりも優遇された貸付利率でサービスを提供する。
 青果物の安定供給を目指すため、生産者支援に力を入れる一方、全国の産地から豊富な青果物を集めることで、消費者の望む求めやすい価格に応えている熊青西九州青果梶B「よりおいしく」「より安心」な青果物の流通拠点としての役割を担い、他県では作れない高付加価値野菜を流通させる独占市場の形成を目指している。
企業DATA
[所在地] 〒860-0058熊本市田崎町484 
[TEL] 096-323-2611
[FAX] 096-323-2570
[資本金] 5000万円
[設立] 1959(昭和34)年10月
[事業内容] 青果物卸売市場
[年商] 143億円
[代表者] 中山 益文社長
[従業員] 72人
[URL] http://www.nishikyusyu.co.jp/

[採用情報]
●募集要項:営業一般、一般事務、総務管理職
●応募資格:高卒以上数人
※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。