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くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

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ホテル・飲食・サービス
ゼロエミッションを目指す環境のリーディング企業
有価物回収協業組合石坂グループ
 1979(昭和54)年にリサイクル業者6社で操業を始め、86年に現在の協業組合へ組織を変更した有価物回収協業組合・石坂グループ(熊本市戸島町、石坂孝光理事長)。
 現在、熊本県・熊本市をはじめ県内4市28町村の自治体のリサイクル化推進事業を委託し、年間あたり自治体系約2 万トン、事業系約1 万5000トンの資源物のリサイクル化と約12万トンの有価物原料化を実施している。
 「資源循環型社会」の構築に向け、積極的に多品種多品目のリサイクル化に取り組む同社。06年5月には、本社に隣接する約1万8152uの敷地に総合リサイクル施設を建設。ペットボトル、びん・ガラスの原料化、RPF(廃プラと木くず、紙を主原料にした固形燃料)、バーク(燃料用に破砕した木くず)の大量生産が可能となった。
 また環境教育の場として施設内の一般公開、見学、体験学習を実施。地域へ向け、積極的に資源リサイクルへの啓発と理解を発信している。
新工場完成で多品目のリサイクルが可能に
 新エネルギー分野にも積極的に取り組み、リサイクル向上とゼロエミッションを目指す有価物回収協業組合・石坂グループ。同社は総工費約15億円を投じ、高カロリー固形燃料「RPF」の生産工場を含む総合リサイクル施設を建設した。新たに建設した総合リサイクル施設は、ペットボトル破砕工場、ペットフレーク(ペットボトルを洗浄薄片状にしたもの)保管倉庫、環境事業部事務所・リターナルビン保管倉庫、RPF製造工場と原料保管庫、カレット(びん・ガラス)(骨材・舗装材など建設素材の原料)製造工場と原料保管庫、収集車両の整備工場、水処理施設の8棟と、本社敷地内のバーク製造工場1棟の合計9棟で構成している。
 破砕機と洗浄機をそれぞれ2機導入しているペットボトル破砕工場ではアルカリ洗浄も可能な施設で、原料を洗浄しながら破砕。浮力・風力を利用して、ペット部分とキャップ部分、ラベル部分に選別し出荷される。ペットフレークの生産量は1時間あたり900kg。卵パックなどに生まれ変わり、再利用される。選別されたキャップ部分はPE資材として、またラベル部分はRPFとしてリサイクルする。
 RPF製造工場では、種類別に破砕された廃プラ、木くず、紙くずを一定の割合で配合。80〜120度ほどの摩擦熱を加えて成形する。設備として破砕機が1機、金属除去機が鉄と非鉄それぞれ1機ずつ、成型機1機、冷却機1機を備える。生産量は1時間あたり2t〜2.5t。王子製紙などに出荷され、固形燃料として利用されている。
 ビン・ガラス破砕工場では、最初にロールクラッシャーが500円硬貨ほどの大きさに砕き、ラベルをはがす。次に4機のガラスを色別する機械が、ガラス以外(せともの、金属類)をコンピューターにより選別する。最後に人の目で最終検査を行い出荷する。生産量は1時間あたり25t。日本耐酸瓶工業などに出荷され、ビンの原料や建設素材として新たに生まれ変わる。
 バーク製造工場では木くずを細かく破砕し、金属除去機にかけ出荷。生産量は1時間あたり32t。日本製紙八代工場にボイラー燃料として使用さる。
 また同社は限りある資源を次世代に継承していくため、これらの施設で使用した水を最新の水処理施設に集積している。そしてph調節を行い、凝集沈殿槽や微生物処理槽で有機物や固形物などを除去。処理水の一部を再利用水として使用している。
環境教育の場として工場内を一般公開
有価物回収協業組合・石坂グループは、環境教育の場として総合リサイクル施設を一般に公開している。年間で約4千人の見学者を受け入れ、地域社会へ資源リサイクルの啓発を行っている。
 またリターナルビン保管倉庫に隣接した3階建ての環境事業部事務所では、ガラス・ビーズなどでの工作や紙すきの体験学習を実施。紙すきや色付きのガラスを使用したアート作品制作などを通して、リサイクル商品に触れる環境関連の啓発施設として活用している。
 施設内でごみについて考えてもらう機会を提供し、3R(リユース、リデ
ュース、リサイクル)などの環境教育の啓発も積極的に行う姿勢の同社。地球環境保全の一翼を担うリーディング企業として「ゼロエミション」を目指す石坂グループの更なる挑戦は続いていく。
企業DATA
[所在地] 〒861-8031 熊本市戸島町2874
[TEL] 096-389-5501
[FAX] 096-389-5502
[資本金] 7000万円
[設立] 昭和54年5月
[事業内容] 古紙・再生資源の収集選別・加工処理、産業廃棄物処理
[年商] 19億9700万円
[代表者] 石坂孝光理事長
[従業員] 122人
[URL] http://www.ishizaka.gr.jp/

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。