トップ Companies くまもと経済EX 2006 思い出と感動を“技術”で伝える
くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

■製造・農業  ■電力・運輸・建設・不動産 
■情報通信・ICT関連  ■金融・保険・卸・流通・小売  ■ホテル・飲食・サービス  ■医療・福祉・医療関連・教育 
製造・農業
思い出と感動を“技術”で伝える
鰹シ本コロタイプ工芸社
アルバムは “青春時代のモニュメント”
卒業アルバム.自分のダイアリーとしてページをめくるごとに、その当時にタイムトリップできる一冊。アルバムを開くと、変わらない「思い出」が自然と「現在」を鮮明にする。卒業アルバムは自分の存在を確かめるための大きな役割を担っている。
西日本で年間2500校分を製作するリーディングカンパニー
 学校アルバムを中心に写真集、パンフレットなどの印刷・製本を手掛ける「マツコロ」こと、松本コロタイプ光芸社は、1931(昭和6)年創業、卒業アルバム専門の印刷所として今年で創業75周年を迎える。長年積み重ねられた技術と信頼性は、熊本県以外の九州、四国、中国、関西、名古屋へと伝わっており、現在同社が手掛ける約2500校分の学校アルバムのうち約85%が県外からの受注となっている。
 毎年8月には九州を中心に学校アルバム関係者約180人を招き、技術と品質の向上を目的とした「学校アルバム夏期ゼミナール」を開催している。また同時開催のアルバムコンテストでは、卒業アルバム評論家の藤坂美彦氏を審査委員長として迎え、優秀作品の総評と表彰を行なっている。「毎年子供たちの“思い出作り”に奔走している写真家たちの楽しみを作り出すのも当社の役目」と社長は語る。
九州最先端の デジタル印刷化に成功
 企業としての成長、印刷業界の技術革新に伴い最先端技術も常に取り入れている。99(平成11)年には3年計画で推進してきた製版プリプレス印刷の前工程)部門のDTP(DeskTop Publishing)システム化が完了した。マッキントッシュ・コンピューターの採用で、ローコスト化、省スペース化に成功。さらに製作時間の短縮によるスピーディな製版が可能となった。2001(平成13)年にはCTP(Computer to Plate)システム採用による印刷工程のフルデジタル化が完了した。 
 さらに同社は“色”にもこだわり続ける。CTPシステムや世界トップクラスの印刷機メーカー小森・三菱両社のオフセット機を導入、これまで作業
者の色彩感覚に頼っていた製版・印刷工程をデジタル化し、よりスピーディーにより正確に色彩を表現している。印刷業界全体でローコスト化が進む、“色”には一切の妥協を許さない。
 02(平成14)年10月には松本社長が初代理事長を勤めた下益城郡富合町の工業団地に新工場が完成した。フルデジタル化の集大成となる新工場の完成によって生産体制が効率化、更なる飛躍が期待される。
「マツコロブランド」を全国へ
 「スクールアルバムで培ったカラー印刷、フルデジタル化の技術を生かし、小ロット・高品質のカラー印刷という、新たな市場を開拓していく」と語る松本社長は「今後はデータ通信のスピードを加え、より広域に営業を展開していく」と新たなステップを明示する。“色”にこだわり続けてきた同社ならではの商品開発と技術革新が、「卒業アルバム」という少部数市場へのニーズに応え「マツコロ」ブランドを構築している。
 「マツコロ」は知っている.デジタル化の進む印刷業界においても、根底となるのは“ヒトの技術”だということを。そしてより良いアルバムは思い出も色褪せないことを。
「コロタイプ」…
約150年前にフランスで考案された、ガラス版による写真印刷手法。熟練した技術者による精巧な仕上げを要し、これまで数々の歴史的名画、写真の複製に用いられてきた。現在は使用されない版式となったが、社名はそのまま踏襲されている。
企業DATA
[所在地] 〒862−0976熊本市九品寺6−5−47
[TEL] 096(364)2271
[FAX] 096(362)2221
[資本金] 1000万円
[設立] 1954(昭和29)年4月
[事業内容] スクールアルバム印刷・製本、記念誌出版、一般カラー印刷、カタログ、絵葉書
[代表者] 松本豪雄
[従業員] 80人
[URL] http://www.matsucollo.co.jp
[E-Mail] pr@matsucollo.co.jp
[出先] 富合工場 〒861−4144下益城郡富合町釈迦堂上廻渕774−2

[採用情報]
●募集要項:総合職、事務職、技術職
●応募資格:高校、大学卒
●問い合わせ先:総務課
※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。