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くまもと経済EX 2006

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医療事務IT化の熊本No.1企業“安心と信頼”の創業理念、次世代へ
叶シ日本メディカル
レセコンの県内シェアNo.1
辻 詔一郎 社長
 医療事務用コンピューターシステム販売の西日本メディカル(熊本市平成3丁目、辻詔一郎社長)は、今年創業30周年を迎えた。同社の30年の事業経歴は、そのまま熊本県下の病医院や調剤薬局の医療事務コンピューター化、IT化の歴史と重なる。
 医療事務分野でのコンピューターの可能性をいち早く感じ取った辻詔一郎社長が、ゼロから西日本メディカルをスタートさせたのが昭和51年。辻社長の洞察力は確かなものだった。コンピューターの発達、普及と軌を一にして、医療事務分野でのコンピューター化は燎原の火のごとく広がって行た。以来、熊本県におけるレセプトコンピューター(診療報酬請求用コンピューター)のパイオニア企業として、県内シェアNo.1の座を不動のものとしてきた。
「電子カルテ」に全力投球
辻正治企画室長
 IT化の流れは医療界にも急速に及んでいる。その医療IT化のメーンツールとして注目されるのが「電子カルテ」だ。
 診療所へのレセプトコンピューターの普及率が80%に達し、レセコン導入による院内業務の効率化は、既に医療経営のスタンダードとなっている。「今後の医療IT化のポイントは、“患者主体の医療”を実現するメインツールとなる電子カルテの活用」と辻正治企画室長。西日本メディカルは県内での電子カルテのパイオニアでもある。その運用ノウハウで同社の右に並ぶ企業は見当たらない。
 電子カルテは、@医療情報の提供によるインフォームドコンセントの推進、A医療の質的向上、B医療事務の効率化、に大きく貢献すると期待さ
れている。最近の受診者側の意識変化で特に注目されるのが、医療機関に対する選考意識の強まりだ。“受診者に選ばれる医療機関”であることが、健全経営実現の第一条件と言っても過言ではない。
 “患者に選ばれる医療機関”となるための有効なアプローチが、電子カルテ導入によるインフォームドコンセントの推進だ。検査や治療の結果を、画像やグラフで受診者にも分かりやすく提示できるのが電子カルテの大きな特徴。「特に、様々な診療・検査機器との連携が進み、患者データを一元的に管理する方向にある電子カルテは、これまで以上にインフォームドコンセントの推進能力を高めている」と辻室長は語る。
信頼なくして、ビジネスなし
同社が主催する病院医院関係者を集めての説明会
 今後、医療IT化の主役になると見られる電子カルテだが、辻室長は「確実で効率的に運用するには、ドクターやスタッフなど使用者側の要望を反映させた形での保守・メンテナンスの専門的なスキルと、一定数のスタッフを揃えたたバックアップ体制が欠かせません」と、総合的な運用サポート体制の必要性を指摘する。
 同社がビジネスの原則としてきたのが、病医院や調剤薬局との信頼関係の構築だ。「西日本メディカルの企業価値は、先生方へ提供できる“安心感”、先生方からいただく“信頼感”にある」というのが辻社長の企業理念であり、「買っていただいた時から、本当のお付き合いが始まる」が持論。
その必然の結果が熊本の病医院関係者の間で評価の高いアフターフォロー体制を生み、同社の特長となっている。医療法改正(診療報酬改定)時、県内業界では同社だけが開催している医療機関関係者を集めた説明会も、そうしたアフターフォローの一環である
継承される“企業DNA”
 医療IT化の切り札として期待される「電子カルテ」を代表格に取扱品目も格段に増加したが、同社が病医院と向き合うスタンスに変化はない。「売価のみを訴求する企業が、先生方との間に信頼に裏打ちされた永続的な関係を築けるとは思えません」と辻正治企画室長。「価格は安いが、アフターフォローなしの売りっ放しというビジネスはしたくないし、長続きもしません」
 専門知識を持った自社スタッフによる安心感のあるサポート体制の提供がまず第一。その上で初めて『電子カルテ』など病医院の健全経営に向けた新システムの提案が可能となる、というのが辻企画室長の考え方。「万全のサポート体制の上にしか、“先生方のお役に立てる西日本メディカル”は存在しません」
 辻詔一郎社長は近く正治氏への事業継承を決断する。創業者が貫いた“安心と信頼”の経営理念は、30年の時の流れの中で“企業DNA”となり、次世代へと確かに継承されている。
企業DATA
[所在地] 〒860-0833 熊本市平成3丁目16-13
[TEL] 096(379)6611
[FAX] 096(379)6366
[資本金] 1.000万円
[設立] 1978(昭和53)年2月
[事業内容] 医療事務用コンピューター「サンヨーメディコム」の販売、電子カルテシステムの販売、メンテナンス、プログラム開発、情報処理サービス、医療事務養成校「日本メディコム学院」の運営、医療事務に関するコンサルティング業務
[年商] 5億4.500万円(平成17年6月期)
[代表者] 辻 正治社長
[従業員] 30人
[URL] http://www.n-medical.co.jp/
[関連企業] ワーク情報システム

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。