トップ Companies くまもと経済EX 2006 創業58年目の青果卸業の総合力を活かし 「カット野菜・フルーツ事業」を展開
くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

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金融・保険・卸・流通・小売
創業58年目の青果卸業の総合力を活かし 「カット野菜・フルーツ事業」を展開
(株)藤本物産
「町のくだもの屋」から九州屈指の青果卸業者へ
 58年前に「町のくだもの屋」からスタートした藤本物産(熊本市田崎町、藤本健介社長)。その後、変遷する食に関するニーズを幅広く捉え、地元熊本を中心に全国に新鮮な青果物を提供する卸売企業として堅固な地位を確立している。同社では、熊本県産品に加え、社歴の中で培った幅広い商品仕入れのネットワークから全国各地の生産者や市場から、また世界の生産国から青果物を仕入れ、それらを全国の市場へと流通している。各地で求められている食材を、最適かつ迅速に届けるために関連会社ケイ・エフ物流を持つ。鮮度が命の青果物を、新鮮な状態のまま届けるために温度帯別商品保管やコールドチェーン対応などで24時間、年中無休の業務体制をとっている。当然、流通させるためには商品の鮮度や味、安全面など商品知識も重要な要素となる。どんな生産者がどのように栽培され出荷しているのか、そういったことを調べるために、国内外問わず現地におもむき栽培状況や出荷状態を確認している。食に関わる企業としての責任を果たし、自信を持って消費者に届けるために日々努力を続けている。
 また、同社が青果物を卸す量販店などの青果売場の売上を上げるため、相場や産地状況が時節による変化を捉え、データを分析し1カ月先、1週間先の値段を決めていく。また、独自のシステムで業務の合理化や効率化を追求しながら、創業時から一貫する「顧客第一主義」の企業理念のもと、顧客の観点に立ち消費者ニーズをしっかり捉えた付加価値の高い商品づくりとマーケット分析を行っている。
消費者ニーズ捉え、あらゆる可能性に挑戦
 消費者の声をより広く拾い上げるために、小売部門も充実している。熊本県内全域に直営店舗を展開し、顧客の声をダイレクトに集め地域に密着した販売を心掛けている。現在は、熊本交通センター、くまもと阪神、サンリブ清水店、サンリブくまなん店など8カ所の青果直営店を持っている。
 そうしてキャッチした声を形にし、また新たな提案で販路開拓を試みるのがフレッシュセンター事業部。04年に本社南側に建てられた工場では、カット野菜の製造とパッケージングができ新しい食べ方の提案を図ることが可能となった。野菜の洗浄には電解水を使用するなど、安全面にも考慮された工場内では、素材を食べ頃の大きさにカットしてフレッシュ真空パックした鍋野菜セットや、焼肉野菜セットなども作ることができる。そのほか、学校や病院など規模の大きい野菜カットの請負などもでき、今後様々な可能性を持った部門の一つになりつつある。
地域特産の付加価値高い商品開発支援も
 生産者とのつながりを重視した、新しい商品開発にも余念がない。01年にはより安全で、新鮮な農作物の商品開発を目的に(有)フレッシュダイレクトを設立。安いものから良いもの、より美味しいものへと消費者の思考は徐々にシフトしている現在に置いて、直接産地に出向き生産者との対話の中から新商品の生産や開発を進める。
 産地直結部門として生産者と直接的なやりとりで、作り手の顔の見える商品化とトレーサビリティーの推進を実施している。そのような中誕生した商品の一つにイチゴの新商品「紅(ベニ)あやか」がある。糖度が高いうえ、表皮部分は比較的固いため流通にも適した品種で好評を得ている。
 また、最近では各地域の周辺農家が協力して、農業生産法人を立ち上げる動きが見られる。野菜の共同出荷や農業経営、地域発のオリジナルブランドを開発し、売り出す試みが県下で行われている。同社でもそうした法人との情報交換や、青果流通のプロとしての立場から積極的に手助けなどを実施している。そうすることで他にはない新鮮な商品を、県内はもとより、全国の食卓へ届けたい考えだ。
 創業60年を目前に控え、同社が特に注力しているのが若い力の育成だ。若手社員にも早い時期に担当商品や得意先を任せ、自ら行動させることで様々な商いの面白さや醍醐味を経験させている。そこからやりがいを見出し、さらに自己のモチベーションや次へと進む努力や熱意が生まれる。そうした中から、主体的な行動力を持った人材を育むとともに勢いある力が同社の原動力となることを期待している。活気ある市場の中にあり、それに負けないパワーを持つ社員が一丸となり「食の商社」として新たな展開を目指していく。
企業DATA
[所在地] 〒860-0058 熊本市田崎町414-12
[TEL] 096-354-1335
[FAX] 096-353-6452
[設立] 1962年6月
[事業内容] 青果のトータルコーディネート 1.青果物の仲卸、及び直営販売 2.生産地より直接仕入れ・販売 3.輸入青果物の卸 4.バナナの着色加工 5.ドライフルーツ類の卸 6.青果物の加工業務
[年商] 98億7千万円(04年度グループ計)
[代表者] 藤本 健介
[従業員] 150人(グループ計)
[URL] http://www.fjmt.co.jp
[関連企業] ケイ・エフ物流 フレッシュダイレクト

[採用情報]
現在、登録がありません。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。