トップ Companies くまもと経済EX 2006 社内の体質改善とサービス強化で大競争時代に挑む
くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

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金融・保険・卸・流通・小売
社内の体質改善とサービス強化で大競争時代に挑む
潟zームセンターサンコー
社員の意識改革と教育でソフト充実
 県外資本の出店や大型ショッピングセンターのオープンにより競争が激化するホームセンター業界。地場最大手の潟zームセンターサンコー(熊本市東町、中山耕吉社長)は競合対策として、企業自体の体質改善を強力に推し進めている。「売上を伸ばすだけでは生き残れない。厳しい環境に耐えうる企業を目指すとともに、地域の特性を把握し、攻めの競合対策を積極的に行いたい」と話す中山社長。具体的には既存店の強化と見直しを徹底。宇土店のリニューアルに続き、免田店では125坪の店舗増床を実施し、売上は確実に増加している。また、不採算店の規模縮小や思い切った閉店も検討している。
 店内をきれいにすることを目的に昨年から、全店の整理整頓と倉庫(バックヤード)のレイアウト変更、在庫管理を実行。在庫も減った。さらに他社との差別化と人的サービスとソフト面の充実を図るため、社員教育の徹底と内部の体質改善に着手。組織改正では社員教育の専用課を設け、現場指導を行いながら、お客様との最終接点であるレジ教育をすすめている。教育内容には、忙しい店舗での接客訓練やメーカーからの協力の基、季節商材の勉強会などがあり、セールスに生かしている。お客さまからの声を聞く「社長室直行便」に送られる接客クレームも少なくなり、教育は確実に浸透している、と手応えを感じている。また、一昨年導入した「社員提案制度」も引き続き行い、マンネリ化することなく社員一人ひとりの意識改革につなげている。
本山店、東バイパス店、北部店に自転車館新設
 06年4月には、本山店、東バイパス店に続き、北部店に「自転車館」を新設。70坪前後のフロアにはリーズナブルな商品からグレードの高い商品までを取り扱っている。ホームセンター内の1コーナーから独立したショップ形態にすることによって、サービスや補修関係まで幅広く対応することが可能となった。また、自転車整備士の有資格者を全店舗に配置し、パンク修理などのアフターメンテナンスを充実させ、固定客の獲得を狙う。今後も地域性を見極めた上で、出店を検討している。
ペット&グリーン館を県外進出
 根強い人気に加えて団塊世代のリタイアで更なる市場拡大が見込まれるペットと園芸業界。2000年末、東町店にオープンした西日本最大級のペットと園芸の専門店「ペット&グリーン館」。本山店隣接地に2号館を出店し、さらに一昨年、東バイパス店にもオープン。同社の柱に成長した。「ペットと園芸は不況に左右されない根強い人気で将来的にもまだまだ商圏はある」と同社長。多店舗展開による人材の育成とノウハウの蓄積が順調に進み、県外進出がいよいよ本格化。商圏が見込まれる都市部(福岡)での単独出店を計画している。また、商圏の小さな地域では、既存ホームセンター内部でのペットと園芸の強化を進めており、癒しの時代を追い風に順調な売上高で安定的な経営をみせている。
クレジット付「新サンコーカード」発行
 「ホームセンター業界は成熟期を迎え、商品だけでは顧客は満足しなくなった。価格や品揃え以外の部分で魅力のある店舗づくりを行いたい」と同社長。同社では年内をメドにクレジット付の新しいサンコーカードの発行を予定している。今回のカードは、キャッシュレス化による利便性の向上やポイントアップなどによって付加価値を高め、顧客の囲い込みとサービスの向上につなげる構えだ。現在、発行している既存のサンコーカード会員数は62万人を越え、会員の利用頻度も増加している。今後さらにソフト面の充実を図り、大手ではできない地域密着型のホームセンターを目指す。
企業DATA
[所在地] 〒862-0901 熊本市東町2丁目1番15号
[TEL] 096-367-5914
[資本金] 4億9500万円
[設立] 1986(昭和61)年6月3日
[事業内容] ホームセンター事業、ペットと園芸の専門店の経営、建築・土木・造園緑化工事請負
[年商] 144億円(平成18年3月期)
[代表者] 中山 耕吉
[従業員] 630人
[関連企業] イエローハットグループ

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。