トップ Companies くまもと経済EX 2006 “新しい九州の味”を創造する地場最大手の醤油・味噌メーカー
くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

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製造・農業
“新しい九州の味”を創造する地場最大手の醤油・味噌メーカー
フンドーダイ
九州・熊本に生まれ、全国、そして海外へ広がるマーケット
フンドーダイの自社商品の一部。醤油や味噌のほか、たれやドレッシングなど約600アイテムの自社商品を製造販売する
 明治2年に九州・熊本に生まれ、全国、そして海外へと着実にビジネスフィールドを広げる地場最大手の醤油・味噌メーカー、フンドーダイ梶i熊本市楠野町、大久保太郎社長)。九州全域をはじめ、沖縄、山口県、関西、関東などに市場を広げ、海外では中国をはじめとするアジア地域へとマーケットを拡大している。同社が創業以来、守り継いできたものは、時代が求める「味」と「品質」へのこだわり。少しずつ変化する人々の「味」への嗜好やライフスタイルを研究し、その時代の“おいしさのニーズ”に応える「味」創りを目指し、新商品開発や品質管理体制の確立にとくに力を入れている。
時代が求める“新しい味”を創造する商品開発センター「味工房」
商品開発センター「味工房」で行われる試作検討風景
 本社工場には商品開発センター「味工房」を備え、試作検討や品質評価試験にと日々、力を注いでいる。また料理教室の場としても開放し、消費者ニーズのマーケティングのもと、取引先等へのメニュー提案や食材を取り扱う会社との連携により「手軽でおいしい」と評価される商品を開発。新しい市場を開拓している。
 九州・熊本の産品を使用した商品開発にも取り組み、天草の自然海塩を使用した「だし入り味噌」のほか、「馬ホルモン味噌煮込み」、「太平燕(タイピーエン)スープの素」などの商品も発売。加工調味料のバラエティ化にも取り組み、ひまわりオイルを使用した「黒糖酢ドレッシング」など、今後もさらにバリエーションを増やすと共に、地元産品を使用した食品も近日、新商品の発売を予定している。
 また最先端のバイオ技術を用いた独自の「味」「商品」の開発や、健康への関心の高まりにも対応。塩分の少ない商品開発を進め、真空で減塩する独自技術「濃縮脱塩方式」の開発により、減塩能力向上や食塩濃度の自由なコントロールを可能とし、一般の醤油とほとんど変わらない「風味」や「味わい」を持つ減塩醤油を実現するなど新しい味の創造と共に健康志向の味づくりにも取り組んでいる。
品質管理を徹底、環境問題に対応へ ISO14001認証取得、キックオフ
本社工場内での品質評価試験
 品質・衛生管理面では、製造工程にHACCP(危害分析重要管理点)の手法を導入、フィルターで完全に浄化された空気が送られる衛生管理を徹底した最新設備を整えたクリーン工場で生産を行っている。01〜03年にかけては生産工場の老朽化や安心・安全への関心の高まりに対応し、味噌工場新設や醤油の製麹装置及び充填ラインの更新など段階的に最新設備への更新を促進。02年10月には品質マネジメントの国際規格ISO9001を認証取得し、現在、ISO9001の仕組みを進化させ、クレームや工程内で起こる不適合の削減、改善にも取り組んでいる。
 また環境問題にも積極的に対応する。日本経団連傘下のもと、業界約30社でCO2削減に向けた行動計画に取り組む中、同社工場でも油種やボイラーの変更、コージェネレーションシステムの導入により、CO2削減に積極的に取り組む。さらに今年1月にはISO14001認証取得を目指し、キックオフ。品質衛生管理の徹底、環境対応の製造体制の確立を推進している。
海外マーケットをさらに拡大、関連会社の戦略を強化へ
大久保太郎社長
 一方、国内人口の減少をにらみ、海外にも積極的に事業を展開し、着実な市場開拓でビジネスフィールドを広げている。95年に中国・大連に貿易会社を設立し、同社製品をはじめ日本の調味料などを中国に輸入し、現地に販売する事業を開始。韓国、香港、インドネシアなどにも営業展開を図り、香港では合弁会社を設立し、食材卸のほか、日本食レストランの経営にも乗り出すなど、アジア・中国を拠点に海外へもダイナミックに展開している。
 現在、海外マーケットにおける売上高は約4億円強。大久保社長は「中国のマーケットはこれからの市場。今後さらに事業拡大を図っていく」と語り、当面は売上高5億円を目指し、マーケット拡大を図っている。
 また関連会社の強化にも力を入れる。和惣菜製造・販売のデリテック鰍ナは介護食の製造・販売を強化。今年3月に冷凍食品・食肉製造販売の潟}ルゼンフーズ(玉名市)を統合し、デリテックと共に介護食事業に参入、新市場開拓を図っている。またコンピューター・OA機器販売、情報処理コンサルティングの潟Gフ・シー・エスでは醸造業向けの管理システムを開発し、販売強化を図っている。
 大久保社長は「3年後、09年3月には創業140周年を迎える。人口減少による市場規模の縮小は避けられないが、節目の年に向け、収益力向上や営業・製造体制の再編を図ると共に、関連会社の強化に取り組み、グループ全体で売上高50億円を目指し、積極的な事業展開を図っていきたい」と抱負を語る。130有余年の伝統と先人の知恵に学び、創造力を発揮するフンドーダイ。「今」、そして「未来(あす)」の食文化づくりで、「食」という分野におけるビジネスフィールドを着実に拡大している。
企業DATA
[所在地] 〒861-5511熊本市楠野町972
[TEL] 096(245)0111
[FAX] 096(245)2352
[資本金] 7500万円
[設立] 1928(昭和3)年
[事業内容] 1,醤油、味噌、食酢類、ソース類、つゆ類、たれ類、ドレッシング類、その他調味料の製造並びに販売 2,国際貿易事業 3,不動産事業 4,損害保険事業
[年商] 27億3000万円(06年3月)
[従業員] 140人
[URL] http://www.fundodai.co.jp  食と健康の通販サイト「久屋利兵衛」/http://www.hisaya-rihei.com
[出先] 本社・工場 熊本市楠野町972 北九州・福岡支店、長崎・八代・天草・人吉・鹿児島営業所、中国大連市、青島市
[関連企業] 潟tンドーダイインターナショナル 潟Gフ・シー・エス(OA機器の販売・ソフト開発) 九州フーヅ梶i食品販売業) 大連保税区福徳達國際工貿有限公司 デリテック梶i和惣菜製造・販売) 潟}ルゼン・フーズ

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。