一般財団法人 化学及血清療法研究所  
 宮本 誠二  （みやもと 　 せいじ）

プロフィール

熊本県菊池市泗水町出身、1950年（昭和25年）8月生まれの64歳。京都大学薬学部卒。75年（財）化学及血清療法研究所入所。97年血液製剤研究部長、2001年理事、07年常務理事、08年副所長、10年副理事長、12年6月理事長・所長就任。趣味は旅行、ウォーキング

創立70周年、総合力を生かし世界市場へ挑戦

　今年は70周年の節目の年。「これまで多くの先輩方が培ってきた歴史と伝統の上に、今の化血研がある。連綿と受け継いできた創業の精神は全く変わっていない」と宮本理事長。同時に「時代の変化に対応できる新しい化血研を作っていかなければならない。変えるべきは思い切って変える」とも語り『伝統の維持と変革』を今年のテーマに掲げた。
　昨年３月、細胞培養新型インフルエンザワクチンの製造販売承認を取得、菊池研究所内の製造棟の完成で４千万人分のワクチンの供給が可能となった。国の追加公募に採択され、２０１７年度内にはさらに１７００万人分の生産体制を整えていく。「５７００万人分という日本人の約半数近くの数を担うことになる」と役割と責任の重さを感じている。国産初の血友病インヒビター（抗体）治療用バイパス製剤も承認を受け、昨年11月から発売。Ｂ型肝炎ワクチンは菊池研究所内の新棟が完成し、増産に向けた体制を整えた。３種混合ワクチン「ＭＭＲー�U」や狂犬病ワクチンは現在申請中。シート状組換え生体接着剤や５種混合ワクチン、デング熱ワクチンなど多くの開発テーマが進行している。「　10年先20年先を見据えた開発に取り組んでいる。日本にしっかり軸足を置いた上で、化血研の総合力
を生かして海外展開を進めていく」と１００周年に向け新しい歴史を築いていく。