（医） 社団愛育会 福田病院  
 福田 稠  （ふくだ　しげる）

プロフィール

熊本市出身、1946（昭和21）年5月10日生まれ、70歳。久留米大学医学部卒、熊本大学医学部大学院修了。国立熊本病院勤務を経て、1981年福田病院院長。2004年〜2010年熊本市医師会会長。2010年から熊本県医師会会長、2012年から日本医師会理事を務める。趣味は読書。

創立110周年の歴史を踏まえ更なる地域母子医療の発展に尽力

　１９０７（明治40）年に初代・福田令寿医師により設立された福田病院は、今年創立１１０周年を迎える。現在では年間の分娩数も３千件を超え、日本で一番お産が多い産婦人科病院として地域の周産期医療発展に貢献している。「創立以来、時代の求めに応え、最先端医療を追い続けるほか、地域の女性の幸せのため邁進してきました」と福田稠理事長は、足跡を振り返る。その理念を引き継ぎ、昨年母子サポートセンターを院内に開設した。「近年、児童虐待の事例が多数報告されています。置かれている母子環境は様々ですが、一人一人に寄り添い、予防・解決に向けたサポートを行いたい」と福田理事長はセンター開設の目的を話す。
　同病院では昨年の熊本地震で被害を受けた隣接地の料亭「新茶屋」を取得した。同地には２年後をめどに10階建ての新館を建設し、病棟、大ホール、保育園などを開設する予定だ。福田理事長は「新茶屋さんは地域の文化を伝えるシンボルでもありました。そのため景観や機能などを一部引き継ぎ、地域での利用も可能にしたい」と地域文化の継承にも心を砕く。
　今後の方針について福田理事長は「昨年12月には母体胎児集中治療室（ＭＦＩＣＵ）を設置しました。これをベースに総合周産期母子医療センターとして整備を進めたい」と話し、更なる地域の母子医療の発展に向け歩みを進める。