みゆきの里  
 富島　三貴  （とみしま　みき）

プロフィール

熊本市出身、熊本高校―明治大学法学部卒。84年リクルート入社、92年みゆきの里・医療法人博光会常務理事、94年同理事長。2013年2月みゆきの里会長就任

全国初、ＬＴＡＣ心不全センターを開設

　昨年３月には創設35周年を迎え、御幸病院の建替えも視野に入れた「みゆきの里新５カ年経営計画」を策定、その牽引役となるＬＴＡＣ心不全センターを４月に開設した。長期にわたり専門的な治療を必要とする心不全の患者を多職種からなる専門チームでケアしていくというもので、日本初の試み。センター長には済生会熊本病院で循環器内科の専門医として実績を持つ西上和宏医師を招聘、御幸病院の院長にも就任し陣頭指揮を執る。さらに九州大学病院で人工心臓など超高度医療を実践する心臓病の専門医、肥後太基医局長も非常勤医師として参画、アドバイザー的役割を担う。御幸病院のこれまでの慢性期中心の医療から亜急性期から回復期、さらには在宅までを担える病院への変革を図る。「亜急性期は急性期に近く専門性の高い病院の態勢が必要」と30人からなる多職種による高い専門性と同所の福祉・介護のバックグラウンドを生かしたチームを編成した。
　「様々な職種の方が全員、細かなことまで自分のことを分かってくれています」と帰宅した後も頼りになる存在と患者の評価も極めて高い。入院予約は高度急性期病院に加え一般病院からの依頼も増えてきており「心不全の領域で高度急性期病院と施設や在宅を繋ぐ橋渡し的存在として全国のモデルにしたい」と理想を掲げる。今後は救急外来対応の24時間体制へのシフトも想定し、ドクターの確保も含め新病院建設構想を体系化していく方針だ。