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平成音楽大学   
 出田 敬三  (いでた けいぞう)

  理事長・学長
プロフィール
1955年(昭和30年)御船町生まれ。ウィーン国立音楽大学作曲科卒業、ウィーン市立音楽院指揮科修了。作曲を高田三郎、E.ウルバンナー、指揮をG.ロジェストヴェンスキーに師事。「笹川賞」、米国モンタナ州ボーズマン市「名誉市民章」、「くまもと県民文化賞・特別賞」等を受賞。作曲家・指揮者として国内外で活躍。本年6月には、モーツァルト生誕250年を記念したオペラ「魔笛」公演の音楽監督・指揮を務める。
新棟建設などキャンパス整備に着手、次なる飛躍期へ
 父・出田憲二氏(現名誉理事長)が西日本初の音楽単科の短期大学として72年に開学。熊本をはじめ国内外に音楽家や教育者などの人材を輩出してきた熊本音楽短期大学は01年、二代目学長・敬三氏の手で4年制の平成音楽大学へと飛躍した。
 そして、今年は第二の飛躍の年となりそうだ。平成音大では今年からキャンパスの大掛かりな整備に乗り出した。正門の隣接地を取得して校地を拡張、このほど中庭では音楽棟(仮称)の建設に着手した。音楽棟は、「音楽大学として最も重要な“音を出す拠点”」となるもので、大スタジオ2、演習室2、レッスン室19室で構成され6月の完成予定。続いて第2期としてグランドに音楽ホールや図書館、管理棟などが入る新棟を建設する。夏頃に着工、完成は1年後の予定だ。
 優秀な人材も育っている。1期生の柄澤芙由子さんは奨学金を得てオーストリア・ザルツブルクモーツァルテウム音楽大学に留学。2期生でファゴット専攻の常松真子さんは、04年の「東京音楽コンクール」の木管部門で第3位、05年の「第10回コンセール・マロニエ21」では並みいる中央の音大の学生たちをおさえて第1位に輝いた。
 新学科やカリキュラムの充実も注目される。昨年4月、「幼児音楽教育学科」を新設、幼稚園教諭1種免許と保育士資格の両方を取得できる全国初の音楽大学となった。「幼児期に優れた音楽に触れることは、豊かな感性や情操を育む上で大変有効。幼児音楽教育の専門知識を備えた人材の育成を目指します」。
 同じく昨年4月にはコンピューターを“メインツール”に、実社会の多様な音楽シーンで必要とされる人材の育成を目指す「サウンドデザインコース」を、コンピューターミュージックコースを改編して新設した。他にも、医療や福祉に音楽の力を活かす「音楽療法コース」など、出田学長は既成概念にとらわれず音楽の幅広い可能性を追究する独自の音楽大学づくりを意欲的に進めている。
創立・開学/昭和47年4月学校法人御船学園設立、同年4月熊本音楽短期大学 開学、平成13年4月平成音楽大学開学 学部組織/音楽学科〔声楽・ピアノ・管弦打楽(邦楽を含む)・作曲・電子オルガン・サウンドデザイン・音楽教育・音楽療法〕、幼児音楽教育学科、音楽専攻科、M.P.C.、M.B.C. 関連施設・機関/音楽総合センター、音楽療法情報センター、熊本オペラ芸術協会、九州音楽コンクール実行委員会 取得できる資格/高校・中学教諭1種免許状(音楽)、音楽療法士1種、ホームヘルパー2級、幼稚園教諭1種、保育士
〒861‐3295 上益城郡御船町滝川1658 TEL096(282)0506戟@http://www.heiseimusic.ac.jp
※この記事内容はくまもと経済3月号(2006年2月28日発行分)の掲載内容です。