Leaders 2023熊本のトップ群像

鰍モく成  
 平尾  優  (ひらお まさる)

  社長
国内では導入第1号となる特殊冷凍機「アートロックフリーザー」前で、平尾優社長(左)と有希専務夫妻
国内では導入第1号となる特殊冷凍機「アートロックフリーザー」前で、平尾優社長(左)と有希専務夫妻
プロフィール
菊池郡泗水町出身。1980(昭和55)年6月12日生まれ、42歳。開新高校建築科卒。福岡の建築関連会社で大工として勤務後、久屋酒販で飲食業向けのコンサルなどを経験。2011年に平尾水産(現ふく成)2代目平尾福成社長(現会長)の長女・有希さんと結婚し娘婿になり、同年入社。16年7月に事業承継し、鰍モく成設立し社長に就任
水産養殖×テクノロジーで魚の価値最大化させイノベーション起こす
 天草市御所浦でとらふぐや真鯛の養殖から加工販売まで行う鰍モく成。
 同社は最新の特殊冷凍機「アートロックフリーザー」の国内第1号機を導入しており、養殖、加工、特殊冷凍技術という自社の強みを結集し、冷凍テクノロジーで魚の価値を最大化させるシーフードテック事業を始動した。特殊冷凍技術で加工した真鯛の切り身は旨味コクを生よりも27%アップさせることに成功している。従来の冷凍の目的である「長期保存」という常識を覆し、最新技術であえて〞冷凍することで食材の付加価値を最大化。「冷凍だからおいしい」という新たな価値を創出している。
 「子どもたちの未来に食をつなぐ」という使命のもと、持続可能な水産業の実現を目指す同社。2月に開催された日本最大級のビジネスカンファレンス「ICCサミット」では会社の使命についてプレゼンし、見事グランプリを受賞した。水産業が抱える問題をテクノロジーで解決へと導き、明るい未来を築いていく。平尾社長は「常識にとらわれず、水産業界で変革を起こし、新しい価値を届けたい」と未来を見据える。また、熟成の1番良い状態で魚を特殊冷凍させる「熟魚(じゅくぎょ)」を開発中。従来の熟成魚は旨味が頂点に達すると、冷蔵でも腐敗が進んでしまっていたが、この熟魚は冷凍で長期間安定した品質での流通を可能にする。同社の動きから目が離せない。
〒860-0058 熊本市西区田崎町380-9 TEL 096(322)3112 FAX 096(322)3113  https://fukunari.jp/
創業/1960(昭和35)年 設立/2016(平成28)年 資本金/300万円 事業内容/とらふぐ・真鯛・かわはぎの養殖、魚介類・水産物の仕入・加工・小売・卸売 従業員数/16人 拠点/田崎営業所(熊本市西区田崎3丁目1-31)、天草支店(天草市御所浦町横浦382-2)

※この記事内容はくまもと経済3月号(2023年2月28日発行分)の掲載内容です。