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公益社団法人熊本県トラック協会  
 住永豊武  (すみながとよたけ)

  会長
プロフィール
1944(昭和19)年7月15日生まれ78歳。熊本商科大学商学部(現熊
本学園大学)。2015年6月に熊本県トラック協会会長就任。熊本交通
運輸且謦役相談役、サンコー・コミュニケーションズ椛纒\取締役
会長を歴任。2022年11月から熊本学園大学・志文会会長を務めてい
る。趣味は囲碁、スポーツ、錦鯉鑑賞
運賃改定交渉の環境整備に尽力
国内貨物輸送量の9割以上を占める
トラック運送業界。産業活動や国民生
活に欠くことのできない基幹産業であ
り、ドライバーはエッセンシャルワーカ
ーと位置づけられながら、他の職業と
比べて長時間労働・低賃金の状況に置
かれるなど、労働環境改善が遅れ、その
担い手不足が深刻化している。背景には
燃料費の高騰や荷主との交渉が難しい
などの理由で必要なコストに見合った
対価を収受できず、人件費や車両費を
確保できないという実態がある。一方で
は「働き方改革関連法」に基づき、令和
6年度から自動車運転業務に年間96
0時間の時間外労働上限規制が適用。
合わせて適用される「改正改善基準告
示」によってドライバーの拘束時間が短
縮されるなど、いわゆる「2024年問
題」への対応は焦眉の急。こうした事態
を打開するため国土交通省は令和2
年4月に「標準的な運賃」を告示した。
それ以降、熊本県トラック協会では荷
主企業や地域社会に様々な啓発活動を
展開。県内94%の事業者が「運賃料金変
更届出書」を提出し、既に運賃改定の交
渉に成果を上げている会員企業も出て
いる。さらには行政からの支援を背景
に、協議なく運賃を不当に据え置く「買
いたたき」の自制を呼びかけるキャンペ
ーンにも注力している。
 住永会長は「今後も当業界が持続的
に安全・安心なサービスを維持し、さら
に向上していくための環境整備に努め
たい」と難局の打開に挑む。
※この記事内容はくまもと経済3月号(2023年2月28日発行分)の掲載内容です。