阿蘇製薬��  
 久木　康裕  （くき　やすひろ）

プロフィール

熊本市出身、1973（昭和48）年1月8日生まれ、51歳。ニューベリー大学（アメリカ・ボストン）卒。2000年10月から現職。趣味はゴルフ。座右の銘は「苦しみの報酬は経験なり」

挑戦重ね、新商品開発・新市場開拓に注力

　救急絆創膏の分野で国内生産量トップシェアを誇る阿蘇製薬�梶B菊陽町の本社工場ほか、アメリカやメキシコ、フィリピンにも製造拠点を構えている。
　昨年夏には絆創膏のガーゼ部分をテープの端に寄せることで指に巻きやすくした「指にまきやすい絆創膏」を発売。２０２２年に世界青少年発明工夫展で銅賞を受賞した小学４年生のアイデアをもとにドラッグストアから製造依頼を受け、商品化したもの。考案した小学生は実際に同社の製造現場に足を運んだという。
　１月からはサックスやクラリネットなど木管楽器演奏者の唇を保護する「ＥＭＵＬ（エミュール）リップサポーター」も全国に店舗展開する島村楽器店で販売を開始。演奏時に使う薄く小さな板「リード」と下前歯の間に挟んで使用し、長時間の練習で演奏者が歯や唇を痛めるのを防ぐ効果があるという。「楽器が趣味の社員によるアイデアで商品化に至った」と語る。
　一方、同社はＴＳＭＣの熊本進出を機に、菊陽町の本社隣接地を有効活用し賃貸マンションを４棟建設している。周辺地域で高まる住居のニーズに応えるもので、１棟目が昨年12月に完成し、２棟目は３月に完成する予定だ。
　久木社長は「一つ一つの挑戦を積み重ね、今年も新商品開発や新市場の開拓に注力していく」と結んだ。