松木グループ   
 松木　喜一  （まつき　きいち）

プロフィール

旧阿蘇郡蘇陽町（現上益城郡山都町）出身、1950年4月30日生まれ、73歳。青山学院大学卒。80年松木産業入社、87年松木グループ社長に就任。2020年4月まで八代商工会議所会頭3期務めた。2021年、旭日小綬章を受章。八代港湾振興協会会長

「陸海空」の総合物流サービス構築へ

　今年10月に創業１００周年を迎える松木グループ。傘下９社の持ち株会社ARLSホールディングスを核に、港湾、コンテナ、請負、倉庫、トラック運送に加えて、船内用食材提供会社「ＫＭＩ」をグループ企業に迎え、往来が再開した大型クルーズ船に九州各県の食材を供給。一方、昨年末からは航空貨物の集配業務を開始し、名実ともに「陸海空」のオールラウンドな物流サービスを構築。現在、八代市港町に建設している持ち株会社の新社屋から次の１００年へ向けた第1歩を踏み出す。
　県の八代港コンテナヤード指定管理者や認定通関業者（AEO）など同港でのアドバンテージを生かし、業容拡大を進める同グループではJASMで使用される高圧ガスを同港で検査・保管するための施設設備許可を県から取得し、操業開始の準備を進める。６月に操業する八代バイオマス発電所では構内作業を受託。５億円を投じて機材調達のほか、人材の研修や採用に取り組む。
　従業員が心身共に健康で仕事に誇りが持てる魅力的な職場環境整備を目指して「ウエルビーイング経営」を推進する同グループは、松木運輸の港湾運送と一般貨物運送の分離を計画。新たな市場の開拓も睨みながら、事業のブラッシュアップを図る。そのほか需要が低迷するパルプを有効活用する新業態への参画などの構想も温める松木代表。「現状に安住せず、常に変革へ向けた挑戦を続けていく」と意気軒高だ。