和久田建設��  
 和久田 数臣  （わくだ　かずおみ）

プロフィール

八代市出身、1960（昭和35）年8月28日生まれの63歳。真和高校―日本大学理工学部建築学科卒。83年竹中工務店入社、大阪本社、九州支店を経て、同社入社、建築事業部を経て、2002年社長就任。趣味は写真と建築

独自開発の「滑り免振」構造が特許を取得

　明治27年に八代市で創業し、今年５月に創業１３０周年を迎える和久田建設。昨年２月にオープンした人吉市の旅館「翠嵐楼」をはじめ熊本豪雨災害の復旧工事や土木工事も手がけ地域に貢献する。また最近ではドラッグストアなどの店舗に加え、工場・物流倉庫などの受注工事が増加。ＴＳＭＣ進出の影響もあり着実に受注件数を伸ばしている。
　昨年９月には２０１９年に出願していた独自開発の「滑り免振」構造が特許を取得。熊本地震をきっかけに、災害に強いコンクリート住宅「堅蔵（けんぞう）ＲＣキュービックモデル」を開発する中で、「地盤と建物の基礎を固定しないことで地震による倒壊などの被害を軽減する」独自の免振構造を開発した。同社では今後、自社の設計施工だけでなく、ライセンス契約による技術提供事業も検討。「災害に強い建物づくりに生かしていきたい」と話す。
　また地域貢献では八代本部ビルに社員の福利厚生施設に隣接し、オープンスペース「フリーブ」を開設。「地域の心の健康づくりに貢献したい」との思いから、昨年は市役所主催の各種イベントにも活用された。
　一方、社員教育では数年前から経営方針「和心（わごころ）」を柱に人づくりに注力してきた。和久田社長は「『建築は総合芸術』―。社員一人ひとりが会社の方針を明確にして力を結集し、安全管理や品質管理に優れた施工体制を構築し地域に貢献していきたい」と力強く語った。