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KMバイオロジクス   
 永里 敏秋  (ながさと としあき)

  社長
ワクチン製造設備を有する同社菊池研究所の工場内で
ワクチン製造設備を有する同社菊池研究所の工場内で
プロフィール
益城町惣領出身、1957(昭和32)年10月1日生まれの67歳。熊本大学大学院薬学研究科修士課程修了。83年明治製菓梶i薬品部門)入社、2003年11月明治魯抗有限公司総経理(中国)、11年6月Meiji Seika ファルマ潟oイオサイエンス研究所所長、14年6月執行役員生産本部長、18年1月取締役執行役員生産本部長(バイオ医薬事業推進部、バイオサイエンス研究所管掌)などを歴任し、18年7月KMバイオロジクス且ミ長就任。Meiji Seika ファルマ且謦役を兼務する。趣味はゴルフ、ウォーキングほか
国内の安定供給を軸に、グローバル展開を加速
 国内で唯一「ヒト用ワクチン」、「動物用ワクチン」、「血漿分画製剤」、「新生児マススクリーニング」の4事業を行うKMバイオロジクス。同社では24年度から「2026中期経営計画」を始動し、安定供給に向けたさらなる体制整備やグローバル化への展開を加速している。
 インフルエンザワクチンは国内トップシェアを維持し、今シーズンは早期出荷もあり順調に推移する。また昨年4月から5種混合ワクチンを出荷し定期接種化に貢献。血漿分画製剤事業も好調で、今期は120億円の売り上げを見込む。新生児マススクリーニング事業では、拡大スクリーニング地域に大分県を新たに追加し順調に推移。開発を進めてきた小児向け新型コロナワクチンは新たな変異株で臨床試験を進め早期申請を目指している。加えて、将来のパンデミックに備えて国の支援を受け新たな感染症に対応するデュアルユース設備の新設も進めている。さらに感染症予防の啓発やSDGsをはじめ地域貢献事業にも力を入れる。
 海外展開ではインフルエンザワクチンや血漿分画製剤の一部で海外輸出を始めており今後も拡大予定。同社のデング熱ワクチンやエムポックスワクチンは国からの支援も受けて展開。エムポックスワクチンは昨年11月にはWHO(世界保健機関)の緊急使用リストに登録された。また製品だけでなく技術、ノウハウを提供する事業も進める。永里社長は「国内の安定供給を前提として製品や技術・ノウハウの提供を含めたグローバル展開を進め、人々の健康を支え続けたい」と語った。
860-8568 熊本市北区大窪1丁目6-1 TEL0963441211 https://www.kmbiologics.com
設立/2018(平成30)年3月 資本金/100億円 事業内容/ヒト用ワクチン、血漿分画製剤の研究・開発・製造・供給、動物用ワクチンの製造、新生児マススクリーニング 従業員/2,018人(2024年6月現在) 役員/代表取締役会長 小林大吉郎、代表取締役社長 永里敏秋、取締役 黒沢亨、菱沼純、中山峰男、本松賢、西川正明、監査役 千田広秋、富田正夫 事業所/本社・熊本事業所、菊池研究所、合志事業所、阿蘇事業所、東京事務所、新生児スクリーニングセンター 子会社/明治アニマルヘルス
※この記事内容はくまもと経済3月号(2025年2月28日発行分)の掲載内容です。