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西日本メディカル  
 辻 正治  (つじ まさはる)

  社長
プロフィール
熊本市出身、1969(昭和44)年9月25日生まれの37歳。辻詔一郎社長の長男。熊本商科大学付属高校―熊本電子ビジネス専門学校情報処理科卒。90年三洋電機鞄社、主に商品の企画・開発を担当する。叶シ日本メディカルの創立20周年に当たる97年に企画室長として入社。趣味はスポーツ全般。「義理を欠かない。人情を忘れない」が生活信条であり、仕事のスタンス。
「安心と信頼」の理念受けつぎ、第二創業期へ
 「身の引き締まる思い。創業以来30年間、当社を育てていただいた医療関係のお客様、そして社員の皆さん、取引先の皆さんに感謝したい」
 昨年8月、創業者である父、辻詔一郎氏(現会長)からバトンタッチを受け、医療事務用コンピューター販売のパイオニアであり県内トップシェア企業、叶シ日本メディカルの社長に就任した。
 昭和51年の創業以来、辻詔一郎氏が最も大切にしてきたのがユーザーとの信頼関係。「コンピューターを買っていただいた時から、本当のお付き合いが始まる」、「先生のお役に立て」、「アフターケアでは他社に絶対負けるな」。そして「コンピューターを売るのではなく、自分を買って頂け」…社員は、こうした“辻語録”を聞き、会社に満ちる『お客様第一主義』という“空気”を吸って育ってきた。
 「辻会長が30年間かけて築いて来たお客様との信頼関係は、絶対に守らなければならない。一方、医療機関の経営環境は大きく変化しています。『西日本メディカルだから』という甘えはもう通用しません。原点に帰り、環境の変化に迅速に対応し、お客様のお役に立つ新しい提案を積極的に実行しなければなりません」
 膨大な財政赤字を背景に国の総医療費抑制は大きな流れとなり、医療機関を取り巻く経営環境は激変している。他方、IT化の波は医療界にも急速に押し寄せている。厚生労働省もレセプト(診療報酬請求明細書)電算化や電子カルテでは、導入期限や導入目標を設けて普及を推進している。「経営環境が厳しさを増す中、“受診者に選ばれる医療機関”になれなければ生き残れません。見方を変えれば、当社が先生方のお役に立てる環境は広がっているとも言えます」と、時代の変化の中に商機を見る。その方法論を問えば、「先生方のお役に立つこと。これに尽きます」。なるほど、企業DNAは確かに継承されている。
 そして、もうひとつの企業像。「地域に貢献できる会社を目指したい」と辻社長。「会社も私個人も熊本に育てられました。先輩方にもお世話になりました。何とかお返しを。そう強く思います」
〒860-0833 熊本市平成3丁目16-13 TEL 096(379)6611 http://www.n-medical.co.jp/
創業/1976(昭和51)年10月 設立/1978(昭和53)年2月 資本金/1.000万円 事業内容/医療事務用コンピュータ「サンヨーメディコム」の販売、電子カルテシステムの販売、メンテナンス、プログラム開発、情報処理サービス、医療事務養成校「日本メディコム学院」の運営、医療事務に関するコンサルティング業務 売上高/5億2.000万円(平成17年6月期)従業員数/30人 関連会社/潟潤[ク情報システム
※この記事内容はくまもと経済3月号(2007年2月28日発行分)の掲載内容です。