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くまもと阪神 褐ァ民百貨店  
 丸本 文紀  (まるもと ふみのり)

  社長
プロフィール
熊本市出身。1955年(昭和30年)5月8日生まれの50歳。済々黌高校−中央大学商学部卒。78年ニコニコ堂入社、86年葛繽Bネットワークシステムを設立、専務就任。89年4月独立し不動産業のシアーズコーポレーション設立、93年住宅建設への進出を機に「シアーズホーム」に社名変更。02年10月共同出資で褐ァ民百貨店を設立して社長に就任。趣味は読書と仕事。座右の銘は「全力投球」
ライフスタイルを提案、感動を共有する百貨店に
 不思議と、この人に会うと元気をもらえる。経営者の第一の資質が、周囲にヤル気を起こさせることだとすれば、丸本社長は金メダル候補だろう。とは言うものの、百貨店を含め熊本市中心部の小売業経営は難しい局面にある。消費が伸び悩む中で郊外に大型ショッピングセンターが相次いで開店し、売場面積、店舗数、企業数ともに増加して“トリプルオーバーストア状態“だと言われる。 
 「郊外大型店の影響で、土日は来店客数が10%以上減少している。これを平日の販促強化や外商などでカバーしている」と丸本社長。前期は逆風の中で苦しんだが、今期は「何とか目標とした売上高と利益を確保できそう」と健闘中。 
 郊外大型店対策を含め魅力ある店づくりが急がれるが、昨年4月には地下食品売場のリニューアルを実施した。売場面積を2倍に拡張して品揃えを充実、通路も広げ全体に明るくした“デパ地下”は好評だ。「団塊世代やシニア層、40歳以上のミドル層、都市生活者などにターゲットを絞り、単に商品を売るだけでなく、商品を通じてお客様にライフスタイルを提案し、感動を共有できる百貨店」を目指す。郊外の大型店にはない「親切さが身にしみるようなきめ細かな接客対応、ホスピタリティが差別化のポイント。お客様の顔が見えるサイズのくまもと阪神にはそれが可能」と社員教育に力を入れる。 
 桜町界隈や中心市街地全体の活性化にも積極的に関わる。「うち単独で頑張っても限界がある。桜町界隈、さらに中心市街地全体の魅力を高めることが欠かせません」。桜町周辺の企業などと協力し、春の「さくら祭り」、秋の「みずあかり」、年末には「光のページェント」と街の賑わい創出に意を砕く。「熊本城築城四百年や新幹線開業を控え、熊本の顔である中心市街地をもっと活性化させないと。元気を出してやりましょう、みんなで」
 元気を振るう…この人の天賦の資質が人を惹きつけ、街を元気にする。

8628668 熊本市桜町322 TEL 096(322)1111 http://www.kumamoto-hanshin.co.jp/

設立/平成1410月(平成15223日開店) 資本金/4億円 事業内容/百貨店 売上高/1667400万円(平成171月期)役員/代表取締役社長 丸本文紀 常務取締役総務本部長 松本烝治 取締役営業副本部長 藤井幸雄 取締役外商部長 河田和夫 取締役(非常勤) 三枝輝行、橋本雅史 監査役 上野景昭 従業員数/402人 支店等/(店舗)人吉、天草

※この記事内容はくまもと経済3月号(2006年2月28日発行分)の掲載内容です。