製造品出荷額は過去最高の２兆９１５６億円
　０７年県工業統計調査　付加価値額は前年並み

県統計調査課がこのほど発表した０７年熊本県工業統計調査によると、製造品出荷額は前年比２・９％増の２兆９１５６億円で、過去最高を記録した。
０７年１２月３１日現在で、製造業に属する事業所数や従業者数、製造品出荷額などについて調査したもの。従業者４人以上の事業所が対象。
製造品出荷額を業種別にみると、輸送用機器が５４３９億円と最も多く、以下電子部品が４１７１億円、一般機器が３２７９億円と続いた。前年比では非鉄金属が１６０・４％増、情報通信機器が３４・２％増、一般機器が９・６％増加した一方、金属製品が２３・６％減、ウエートが大きい輸送用機器も４・４％減少した。
付加価値額は１兆２１０億円でほぼ昨年並みだった。業種別では電子部品が１６９２億円と最も多く、以下輸送用機器が１３８４億円、食料品が１０８８億円となった。前年比では非鉄金属が１３７･０％増、輸送用機器が１５・４％増加したが、金属製品や電子部品は減少した。
また、県内における製造業の事業所数は２５３４で、前年比１・４％の増だった。業種別では、食料品が６０６事業所と最も多く、以下金属製品が２２４事業所、窯業・土石が２０７事業所と続いた。前年比では２２業種中１３業種が増加しており、とくに電気機器が大きく増加した。
従業者数は１０万７６２人で、２・１％増加した。業種別では食料品が１万７９３７人と最も多く、以下電子部品が１万３５７８人、輸送用機器が１万１８９５人の順となった。前年比では非鉄金属が１６３・４％増、プラスチックが１３・９％増と大きく増えた一方、金属製品が大きく減少した。各項目の直近１０年間の推移は別表の通り。

誘致企業による出荷額は県工業全体の６３・６％

また、県内の誘致企業事業所数は同３・０％増の２７２、従業者数は同１・５％増の４万４１３５人、製造品出荷額は３・２％増の１兆８５３３億円だった。
誘致企業が県工業全体に占める割合は、事業所数では１０・７％だが、従業者数で４３・８％、製造品出荷額では６３・６％、付加価値額では６０・５％を占めている。 （佐藤奈）