益城町のくまもとエミナースを落札
　熊本交通運輸　落札額は３億８８８８万円

上益城郡益城町の熊本交通運輸�梶i住永金司社長）は１０月１０日、同町の温泉付き宿泊施設「くまもとエミナース」の土地と建物を、年金福祉施設などの譲渡を進める独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構（＝ＲＦＯ、水島藤一郎理事長）が実施した一般競争入札で落札した。落札額は３億８８８８万８８８８円。１０月２２日に正式契約する。
くまもとエミナースは年金被保険者などの健康・体力向上のための体育施設を備えた宿泊施設で、９８年４月に開設。敷地面積は４万６９５３�u、鉄筋コンクリート造り４階建て、延べ床面積は８９００�u。天然温泉やテニスコート、トレーニング室、プール、グラウンドゴルフ場、会議室、レストラン、挙式場、宿泊施設を備える。宿泊室数は３５室、宿泊定員は７９人。０６年度実績としては１８万６２４５人が利用、４億１４３万円の売り上げがあった。
熊本交通運輸では今後も事業を継続する計画で、従業員は施設譲渡時にＲＦＯが一度解雇するが、希望者は積極的に再雇用するという。当面は現在の状態で営業し、専門家の指導を仰ぎながら２年ないし５年程度かけ増築や改装などを含めた将来的なビジョンを策定する計画。
同社の住永豊武専務は「益城町でたったひとつのホテルを残したいという地元の人々の要望を受け、存続を前提として入札に参加した。施設の譲渡が決まりＲＦＯに運営が移ってから売り上げは落ちているようだが、益城町の環境資源などと連携し積極的な運営を行えば、採算ベースに乗せる自信はある。将来的にはビジネス客をターゲットにした運営も検討する」と話している。
ＲＦＯは年金保険施設などを０５年１０月からの５年間で譲渡・廃止し、年金財政運営に資することを目的に設立。県内では熊本厚生年金会館を１２億円で、ブルーマリンあしきたを２５０１万円で、ヘルシーパル八代を３億円で売却している。１０月２２日にはくまもと社会保険センター（熊本市長嶺南３丁目）の入札も予定している。
（佐藤奈）