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直近決算期で6割が当期利益を計上・・・・県中小企業金融実態調査

 熊本県中小企業団体中央会(熊本市中央区安政町、櫻井一郎会長)がまとめた平成28年度県中小企業金融実態調査報告書によると、約6割の企業が直近決算期で当期利益を計上し、増収傾向にあることがわかった。
 昨年11月28日から12月30日にかけて県内の中小企業300社に調査票を郵送し、回答のあった214社のデータを集計したもの。直近決算期の売上高が前期と比較して「増加した」企業は47・9%だったのに対し、「減少した」企業は52・1%で、減少が増加を上回ったが、前回調査と比較すると、増加企業の割合から減少企業の割合を引いた指数(以下、動向指数)は11・6ポイント改善した。動向指数を業種別に見ると、建設が14・2ポイント、製造が3・6ポイントと売り上げ回復傾向である一方、卸売がマイナス23・0ポイント、小売がマイナス42・8ポイント、サービスがマイナス12・0ポイントと厳しい結果となっている。
 損益状況では、直近決算の当期利益が「黒字」だった企業は63・7%で、「赤字」の14・2%を大きく上回った。前回の動向指数との比較でも昨年から10・1ポイント増加した。業種別では建設が82・8ポイント、製造が50・0ポイント、卸売が42・3ポイント、小売が4・8ポイント、サービスが40・0ポイントとなり全業種で改善されているが、業種間で格差が生じている。
 借入金の状況では、「借入なし」と答えた無借金企業が25・5%で最も多く、次いで「月商の1〜3カ月程度」が25・0%、「同4〜6カ月程度」が20・3%、「同1カ月未満」が10・4%だった。前年と比較した借入金の増減傾向では「減少している」が35・6 %、「変わらない」が39・7%、「増加している」が24・7%となり、借入金が減少傾向にあるという結果になった。
 マイナス金利政策については、「プラスの影響があった」が10・6%、「マイナスの影響があった」が2・0%、「特に影響なし」が71・4%だった。また、マイナス金利政策後の借入金利の変化については、「低下した」が31・7%、「上昇した」が1・6%、変化なし」が43・5%となった。熊本地震による影響は、「自社の営業所や工場が全・半壊」が14・4%、「同一部損壊」が51・3%となり、65・7%が社屋などに直接的な被害を受けた。また、「事業活動の一時的な中断・休業等」が26・9%、「事業の縮小・廃止」は2・5%となるなど、約3割の企業が経営の存続に係る重大な影響を受けた。間接的な影響としては「被災後の消費減退による売上減少」が28・1%、「物流網のダメージによる仕入や納品への支障」が24・4%、「納入先の被災やキャンセル等による売上減少」が23・1%、「仕入先の被災による材料・商品の調達難」が18・1%、「イベント等の中止・延期による売上減少」が11・3%など、売買活動全般への影響が示された。同報告書は県内中小企業経営における金融の実態を調査し、国や金融機関に情報提供するとともに今後の金融政策の基礎資料とすることを目的に作成。経営の現状や金融機関との取引状況、マイナス金利政策など、熊本地震の影響、中小企業への支援策、経営や金融に関する意見・要望などについてA4判42ページ建てでまとめている。
_くまもと経済 業界NAVI_:2017年5月30日発行 No.432

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