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2棟目のノリ共同乾燥施設が完成・・・・大浜漁業協同組合

 大浜漁業協同組合(玉名市大浜町、木山義人組合長)が、同町に総事業費3億5千万円をかけ増設していたノリ共同乾燥施設が10月31日完成した。
 21人の生産者を抱える大浜漁協は2009年に同地に漁協が主体となったノリ共同乾燥事業を開始しており、今回は新たにノリ生産者3人がノリ共同乾燥事業に参加するため、ノリ共同乾燥施設の増設となった。養殖ノリを1次加工するための施設で、場所は大浜町大栄の同漁協の水産加工敷地内。施設は平屋建てで床面積は約470u。ノリ乾燥機を8連式(個人所有)から20連式(共同乾燥事業)にしたことで、処理能力は1時間あたり約1万枚を乾燥することができ、個人所有の装置の2倍から3倍の量が乾燥できるという。総事業費は3億5千万円で国の補助金(浜の活力再生交付金)が1億6千万円、残りの約1億9千万円を農林中央金庫が融資した。
 施設完成で期待される効果は、生産者は加工作業の委託で、海上でのノリ生産に注力できるため、生産規模の拡大が可能となる。処理能力のアップで生産枚数の増加、ノリの品質向上が図られる。また、ノリ生産者3人が個別に加工作業する場合と比較して、ノリ共同乾燥施設を利用した場合では、人件費、燃料費など生産コスト削減が見込まれる。さらに、ノリ養殖シーズン(11月から3月)において、これまで生産者の労働時間は1日18時間と過酷な労働環境になっていたが、加工作業の委託で、1日あたり5時間の労働時間の削減が可能となる。労働環境が改善されるため、生産者の健康維持、後継者確保につながると見込まれる。
 10月31日に同地で行われた落成式で玉名市の藏原隆浩市長は「この施設は熊本県内において唯一、大浜地区にのみ建設されており、取り組みが注目されている。ノリ養殖の発祥の地、先進地として期待され、本市水産業の発展に貢献できると確信している」と来賓あいさつ。
 木山組合長は「有明海を取り巻く自然環境は大きく変化しつつある。この度、2棟目の共同乾燥施設が完成したが、この施設が消費者ニーズに応じた生産力を確保し、より生産者の労働環境の改善、生活向上に寄与することはもちろん、ブランド性も高めていきたい」と主催者を代表してあいさつした。
_くまもと経済 業界NAVI_:2019年12月27日発行 No.463

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