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がんゲノム外来を本格的に運用開始・・・・済生会熊本病院

 済生会熊本病院(熊本市南区近見5丁目、中尾浩一院長)は10月から、がんゲノム外来の本格的な運用を開始した。
 同院は今年4月に、厚生労働省から熊本大学病院に続いて県内2施設目となる「がんゲノム医療連携病院」の指定を受け、がんゲノム医療を提供できる施設となったのを機に、同院で治療中の患者を対象に「がんゲノム外来」を開始。10月から対象範囲を拡大し、地域医療機関からの紹介にも対応する。がんゲノム医療はがんの個別化治療の1つ。主にがんの組織を用いて、数百個の遺伝子を同時に調べる「がん遺伝子パネル検査」によって遺伝子変異を明らかにし、検査結果に基づき一人ひとりの体質や病状に合わせて効果が期待できる治験薬や未承認薬などを含む最新のがん薬物治療の機会を提供することが主な目的。同検査後に遺伝子変異に基づいた治療につながる患者の割合は現段階では1割程度といわれている。9月末日現在で同院ではこれまでに約20人の患者がこの検査を受診している。検査の対象となるのは、標準的な薬物治療が終了となった進行がんや原発不明がん(最初にがんが発生した臓器や組織が不明ながん)、希少がんの患者。初回外来時に検査の詳しい説明を行い、2度目の外来で希望に応じて検査を実施、3度目の外来で検査結果を説明する。また、同パネル検査で、遺伝性腫瘍(しゅよう)が疑われる患者やその家族に対しては、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けられる体制も整備している。
 同院は2020年4月、横断的にがん診療を統括する組織として、10職種・50人のスタッフで構成する「集学的がん診療センター」を設置。21年4月に同センターの機能向上を目的に「がんゲノムセンター」、終末期に限らずがんの初期段階から医療的・精神的・社会的に総合支援を行う「緩和ケアセンター」、がん診療の各領域の専門医師12人からなる「総合腫瘍科」を新設している。
 菅守隆集学的がん診療センター長は、「集学的とは各分野の専門家が集まるチームという意味。体制強化によって専門性の高い医療と迅速に切れ目のない医療を提供していく。がんゲノム医療は患者さんの治療選択肢を広げ、最適な治療を探すための検査。本人だけでなくその家族の将来的ながん予防にもつながる」と話している。
_くまもと経済 業界NAVI_:2021年10月30日発行 No.485

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