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御船町に物流倉庫5棟を建設・・・・久留米市の林商店と林倉庫

 不動産業の距ム商店(福岡県久留米市野中町、林誠子社長)と関連会社の蒲ム倉庫(同地、林文男社長)は、御船町木倉に物流倉庫5棟を建設する。今年6〜7月から造成工事に着手し、24年6月から順次稼働する予定。昨年12月21日、同町と立地協定に調印した。
 場所は国道443号沿い、「コメリハード&グリーン御船店」東側。農地4万9千uを取得した。名称は「御船町木倉物流施設(仮)」。計画では林商店が1万1千uの敷地に2階建て、延べ床面積1万uの物流倉庫を1棟建設。24年8月から賃貸を始める。入居する事業者の新規雇用は地元中心に50人の予定。また、林倉庫が3万8千uの敷地に平屋建て、2階建て含め4棟を建設する。延べ床面積は2万8500u。24年6月から順次賃貸を始める。新規雇用は地元中心に約200人の予定。倉庫全体での初年度年商は7億2千万円を見込んでいる。総投資額は明らかにしていない。林商店は商業施設の開発を手掛けているが、さらなる事業拡大を目指し、昨年11月に関連会社として倉庫賃貸業の林倉庫を設立、木倉物流施設の建設を機に倉庫業に参入する。
 同日は林文男社長、林誠子社長、藤木正幸御船町長ら関係者が出席し、御船町役場第1分庁舎で調印式を開催。林文男社長が「新規事業として物流の2024年問題に対応するべく、御船町に物流団地を整備する。当社は商業施設を開発し、住環境の利便性向上に貢献することが本業だが、今回の倉庫業参入は雇用創出をはじめとした新たなチャレンジと考えている。民間が開発する物流センターとしては熊本最大級とうかがっており、本事業を成功させることで御船町が南九州の物流拠点になってくると思う」、藤木町長が「木倉物流施設は熊本地震からの復興計画の中で、コストコ、複合商業型施設『ミフネテラス』に次ぐ第3の大型誘致として全庁体制で取り組んできた。2年後の倉庫完成で交通アクセスの良さを生かした南九州における物流拠点が出来上がるだけでなく、雇用創出や定住促進など多様な波及効果が期待できる。本事業の一日も早い操業開始へ誠心誠意努力していきたい」とあいさつした。
 林商店は2003年設立、資本金は5千万円。不動産の売買・賃貸・管理ほか、太陽光発電による売電事業を手掛けている。関連法人5社を有しており、県内には商業店舗デベロッパーの潟Iフィスバークレー(熊本市東区尾ノ上1丁目、木村繁樹社長)がある。今期のグループ売上高は16億円を見込んでいる。グループ社員は18人。林文男社長に対する一問一答は以下の通り。

「南九州に向けた物流拠点へ」

― 倉庫業参入の経緯は。
 林 創業からこれまで商業施設開発に特化した事業を展開してきた。先ほど申した通り、商業施設を作ることが当社の本業だが、そこからさらに事業の幅を広げ、商業施設開発で培ったノウハウを生かしつつ、新たなビジネスにチャレンジしたいと考えた。その中で、働き方改革関連法の改正による物流業界における2024年問題への対策に貢献したいという思いから倉庫業に参入した。
―御船町を開発地に選んだ狙いを。
 林 御船インターや小池高山インターから車で5分圏内という交通アクセスの面で好立地にある点、さらには開発地を起点に宮崎・鹿児島の南九州に向けた物流拠点になる場所と捉え、御船町に進出を決めた。一方、熊本では台湾の半導体製造大手・TSMCの進出が大きな話題になっている。当社の倉庫は菊陽町で建設が進む半導体工場まで車で30数分となっており、南九州への物流だけでなく、TSMC関連の倉庫需要も見込めると判断した。御船町への物流施設建設は今回が第1号となるが、今後は当社に続く企業の倉庫開発が相次いでくると見ている。
―入居テナントはどういった業種を想定しているか。
 林 具体的な業種などは申し上げることはできないが、現在大手企業を中心に数社と入居に向け交渉している。
―現在も入居者は募集しているのか。
 林 幅広い業種で募集している。町の活性化につながるようなテナントを集め、全体の構成を組んでいきたい。
―倉庫業における今後の展望を。
 林 現状2カ所目、3カ所目の物流倉庫開設を視野に入れており、事業の実現へ準備を進めているところだ。
_くまもと経済 業界NAVI_:2023年3月30日発行 No.502

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