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コロナ禍での熊本地震被災者のメンタルヘルスを調査・・・・熊本大学

 熊本大学(熊本市中央区黒髪2丁目、小川久雄学長)は、熊本市との共同研究で、熊本地震被災者のメンタルヘルスの問題に新型コロナウイルス感染症がもたらした社会経済的変化が影響していることを初めて明らかにした。
 同大学院生命科学研究部の大河内彩子教授(看護学)らのグループが仮設住宅を退居して市内の恒久住宅に移り住んだ被災者約1万9千人を対象に実施したメンタルヘルスに関するアンケート調査によると、熊本地震から5年が過ぎた後でも、熊本市の被災者の35・2%が不眠症を訴え、11・9%が心理的苦痛(抑うつ)を感じ、4・1%が心的外傷後ストレス障害(PTSD)リスクを抱えていることが分かった。約9千人が回答した。
 研究ではメンタルヘルスの問題と社会・経済的要因の関連を分析。地震からの復興途上で起きたコロナ禍の影響について、回答者の48%が「活動機会が減少した」、33%が「収入が減少した」と答え、多くが不眠症や心理的苦痛などを訴えた。調査からは20%が孤独を感じていることが判明。疾患のかかりやすさを示すオッズ比では孤独感を感じている被災者はそうでない被災者と比べ、心理的苦痛で9倍、不眠症で5倍、PTSDリスクで3倍かかりやすいことも分かった。

宮本武蔵晩年の人物像を示す新史料

 熊本大学(熊本市中央区黒髪2丁目、小川久雄学長)は9月26日、晩年の宮本武蔵が初代藩主細川忠利側近の「文化人サークル」の一員として仕えていたことが分かったと発表した。
 同大永青文庫研究センターの稲葉継陽センター長・後藤典子特別研究員らが細川家と松井家の古文書群から4点の史料を新たに発見した。宮本武蔵に関するたしかな歴史資料はその晩年に当たる1640(寛永17)年に藩主細川忠利に招かれて以降のものがごくわずかに伝来しているだけだったが、今回の発見によって稲葉教授らは@死期が近づいた忠利が自身の政治思想を総括・体系化するために武家故実(武家の行動を律する歴史的規範)、儒学(東アジア共通の統治思想)、兵法、茶道に精通した文化人を周辺に集めたが、武蔵は思想としての兵法の体現者として招へいされたと考えられるA忠利死去後も武蔵は熊本で文化人サークルの中に身を置きつつ新藩主の光尚とも良好な関係を維持しており、このことが「五輪書」執筆の背景にあるB文化人サークルの他のメンバーの履歴や文化的位置から見て、晩年の武蔵が兵法の大家として相当の評価を得ており、明君と謳われる忠利のような大名の政治思想に大きな影響を与えうる存在だった―などが明確になったとしている。
 新史料の一部は11月3日から同大付属図書館で開催される貴重資料展「悲劇の藩主 細川光尚」で一般公開する。
_くまもと経済 業界NAVI_:2022年10月30日発行 No.497

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