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外来がん治療センターを大規模リニューアル・・・・済生会熊本病院

 済生会熊本病院(熊本市南区近見5丁目、中尾浩一院長)は4月11日、外来がん治療センターをリニューアルオープンした。
 同センターは本館南側にあり、鉄筋コンクリート造り4階建て、延べ床面積は約7516u。エントランス、PET/CT室、放射線治療エリアがある1階に、がん相談支援センターを2階から移設。がん専門の相談員が常駐し、院内外から患者や家族が抱える相談を受け付ける。2階はがん薬物療法室、診察室、問診・相談用の個室、抗がん剤調整室など。がん薬物療法室は治療ブースをこれまでの20床から36床に増床し、薬物療法の治療エリアも約2倍に拡張した。診察室は9室から12室に、問診・相談用の個室は3室から10室に増やした。抗がん剤調整室は約3倍の広さに拡張。高い清浄度を保つクリーンルームに機能を向上させており、全量排気型の安全キャビネット(患者に合わせて抗がん剤を調合する際に使用する装置)を3台に増やした。薬剤師が抗がん剤にさらされてしまう「職業性の曝(ばく)露」対策として、医療スタッフの安全面からも環境を整備したという。
 がん治療は新薬や新たな治療法の登場で治療効果が以前よりも高まっており、適応対象も拡大している現在において、増加し続ける薬物療法に対応するため今回のリニューアルを行った。

県内初腫瘍循環器の専門外来開設

 また、同院は同センター内に県内では初となる「腫瘍循環器外来」を開設した。がん治療に伴う心筋障害や心臓病を患うがん患者をサポートする専門外来。がん治療によって循環器疾患の併発が懸念される場合などは早期に循環器内科専門医が介入し、がんの専門医や多職種と連携して治療を行っていくという。
 リニューアルを記念し、4月22日に同センター4階のコンベンションホールで医療従事者向けに講演会を開いた。菅守隆同院集学的がん診療センター長が施設紹介を行い、「医療者としてがん患者の人生にどう向き合うべきか」をテーマに、田中靖人熊本大学病院副病院長が座長を、佐々木治一郎北里大学病院集学的がん診療センター長が演者を務め、特別講演を実施した。
_くまもと経済 業界NAVI_:2023年6月30日発行 No.505

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