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熊本ベンチャー元気資金から2億円を調達
 叶V興牧場 受精卵移植技術で黒毛牛を安定供給へ

黒毛和牛牧場の叶V興牧場(菊池市泗水町豊水、安藤學社長)は3月31日、熊本県と三井住友銀行が設立した「熊本ベンチャー元気資金」から2億円を調達した。ベンチャー関連資金の融資対象はこれまでIT関連が中心だったが、県のアグリビジネス振興の一環で初めて農業関連企業として適用を受けた。
同社は、優良血統の黒毛和牛を受精卵移植(ET技術)で計画安定繁殖させる繁殖牧場を熊本と北海道で大規模に展開、黒毛和牛の優良血統ドナー牛600頭をはじめ、褐毛和牛、ホルスタインなど総頭数2150頭を有している。
これまで黒毛和牛の繁殖は、その地域に産する優良血統の維持を中心とした地場産業に留まり、安定供給が難しかった。この問題を解決したのが、受精卵移植のET技術。優良血統の黒毛和牛の精液を、全国から選りすぐったドナー牛に注入して人口受精させ、その受精卵を借腹牛(F1・ホルスタイン)にETすることにより優良血統の子牛を「計画的に」生産することができるという。これまで牛の繁殖などのビジネスは研究開発が先行するため、都銀などの銀行融資には馴染みにくい状況にあったが、ET技術を中心とする生産管理システムを本格稼動させるために借腹牛を大量に購入する必要があり、財団法人くまもとテクノ産業財団を通じて三井住友銀行へ融資を申し込み、「熊本ベンチャー元気資金」による資金調達を実現した。借入金額は2億円。期間は3年。調達日は3月31日。無担保、第三者保証なし。資金使途は、受精卵移植用の借腹牛の購入・肥育資金。
同社は1997年、北海道沙流郡平取町に農業生産法人株式会社新興牧場として設立、同99年4月に熊本県菊池郡泗水町豊水にも農業生産法人株式会社新興牧場を設立しており、東京都中央区日本橋には東京事務所を置いている。 (安田)

週刊経済:2005年4月5日発行 No.1321

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