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法曹コース設置へ向け、4大学と準備協定を締結・・・・熊本大学

 熊本大学(熊本市中央区黒髪、原田信志学長)は2月1日、九州、神戸、中央、早稲田の4大学の法科大学院と連携する準備協定を結んだ。5年間で法学部と法科大学院を修了できる「法曹コース」の設置を目指す。
 法曹コースは大学3年時までに必要単位などを取得した学生が、早期卒業して法科大学院の法学既修者コース(2年間)に進める制度。文部科学省は20年度の創設を目指しており、他校と連携すれば法科大学院のない大学でも同コース設置を認める方針。熊本大は16年度から法科大学院の募集を停止、本年度末で廃止する。同大の構想では法曹コースの対象は20年度の法学部2年生から。定員210人のうち15〜20人を所属させるという。04年に制度が始まった法科大学院は当初、全国で74校に設置されたが、司法試験の合格率低迷などを背景に志願者が減少し、現在は36校に半減した。一方、法科大学院を修了せずに司法試験を受けられる予備試験の受験者は増加傾向にある。
 同大本部棟であった調印式には深町公信熊本大法学部長、堀野出九州大法科大学院長、小木曽綾中央大大学院法務研究科長、松村和徳早稲田大大学院法務研究科長が出席。深町学部長は「法曹コースを設置し4大学と連携することで、南九州の拠点として効果的な法曹教育ができると期待している」と語った。

菊池川の文化・自然継承などテーマにシンポジウム

 また同大学は1月12日、菊池市隈府の同市生涯学習センターで菊池川の文化・自然継承などテーマにシンポジウム開いた。
 同大くまもと水循環・減災研究教育センターが企画したもので、文科省特別経費プロジェクトによる「有明海・八代海の自然環境の再生・創生を目的とする総合的・実践的研究」の一環。今回は菊池川の文化・自然を引き継ぐために私たちができること〜大学・行政・社会の連携から」と題して、環境保全、学校教育、地域づくりなど様々な視点から研究交流行政・市民との協働の可能性を探った。当日は同大の田中尚人熊本創生推進機構教授ら4人が「菊池川流域の日本遺産を活用した公民連携で取り組むかわまちづくり」などの話題を提供したほか、パネルディスカッションがあった。
 

日向往還の道路遺構出土物を公開展示

 また同大学は、医学部付属病院敷地内から発見された道路遺構の出土遺物を公開展示している。4月末まで。
 埋蔵文化財調査センターが「発掘されたメインストリート」と銘打って企画したもの。同センターは昨年度に病院の旧管理棟・外来臨床研究棟の取り壊しに伴う発掘調査を実施し、幅12m以上の切通しの道路遺構を発見。陶磁器など出土遺物から江戸期の「日向往還」の旧ルートに当たると推定されている。熊本市内で考古学的に同往還の存在が明らかになったのは初めてだという。同センターでは出土した陶磁器や火打石、古銭などさまざまな道具類を展示しているほか、調査によって判明した道路遺構の構造をジオラマで復元するなど分かりやすく解説している。また奈良・平安時代の「癘{寺(くほんじ)」とへら書きされた土師器や県立熊本病院時代に廃棄土坑に捨てられた医療関係の道具など発掘調査で見つかった特徴的な遺物も展示している。
 同センターは「熊大病院が現在の姿になるまでの変遷と当時の人々の往来を感じていただければ」としている。
_くまもと経済 業界NAVI_:2019年3月1日発行 No.453

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