飲食店「明神そば」の第三者承継を支援・・・・県事業承継・引継ぎ支援センター

　熊本県事業承継・引継ぎ支援センター（熊本商工会議所内、山田博昭統括責任者）は、南阿蘇村吉田の飲食店・明神そばの第三者承継を支援し、７月３１日に承継を完了した。８月１日から新経営者による営業を開始している。
　同店は前経営者の立石年輝さんが２００５年に白川水源の近くである現在地に開業したが、年齢を理由に２１年３月、事業譲渡を希望して同センターに相談。後継者人材バンクで飲食店希望者の紹介をするなど選定を進め、今年４月にはオープンネーム（名称を公表）して募集を行っていた。その後、社員食堂に勤務し、飲食店経営を希望していた菊陽町の八巻淳一さんが手を挙げたことから後継者人材バンクへの登録を経て第三者承継に向けて協議を進めた。同センターでは、同店がオープン後一度も値上げを実施していなかったことから２割程度の値上げすることや、近年営業していなかった日曜日に店を開けること、１年間は前代表の立石さんも店に立ってそばづくりの技術をアドバイスすることなどを提案したほか、補助金を利用しての設備更新、双方の意見を反映した契約書・事業計画書の策定支援などを行った。
　同センターでは「有数の観光地にある飲食店の事業継続と雇用維持ができ、地域産業の活性化や売上増加による雇用の増加、賃金上昇が見込まれる。また、同地域で後継者不在の事業者が事業承継対策を本格的に考えるきっかけとなった」と話している。