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42億円かけ植物肉製造研究の新工場・・・・DAIZ

 植物肉などを開発・生産・販売するDAIZ梶i熊本市中央区南熊本5丁目、井出剛社長)は2025年2月、益城町に植物肉の製造・研究開発を行う工場を新設する。投資額は42億円。
 くまもと臨空テクノパーク内にある現工場の近隣4万uを取得し、第1期の計画として鉄骨造り平屋建て、建築面積4300uの工場を建設する。年間生産量は現状の2倍である8千トンに増やし、国内を中心にアジアなどへも出荷する予定。また将来的には敷地内に工場の増設を検討しており、最大2万トンの生産を目指す。新工場のコンセプトは「安心・安全」「挑戦と進化」「働きやすさ」「地球と環境に配慮」「DAIZの原点」「植物肉で世界へ」という6つを掲げている。特にSDGsの観点においては大豆の調達から生産・流通、廃棄物の処理に至るまで環境負荷を定量的に算定する「ライフサイクルアセスメント分析」を早稲田大学創造理工学部環境資源工学科伊坪徳宏教授監修で実施し、設計に反映した地球と環境に配慮した工場にするという。また資本業務提携を行った日清製粉グループの日清エンジニアリング鰍ニ工事請負契約を締結し、高度な粉体工場建設の技術を活用した生産プロセスの最適化・生産性向上を図る。現在の従業員数は20人で、今回さらに40人増やす予定。着工は来年1月。
 新工場建設にあたっては経済産業省から「革新的技術研究成果活用事業活動計画」の認定を受け、中小企業基盤整備機構によるディープテックベンチャーへの民間融資に対する債務保証制度を活用し、三菱UFJ銀行をアレンジャー(幹事役)、農林中央金庫をコ・アレンジャー(副幹事役)として金融機関8行が参加するシンジケートローン契約(総額17億円)を締結。また農林水産省から農林水産物・食品輸出促進法に基づく「輸出事業計画」の認定を受け、国内生産の農林水産物・食品の輸出に取り組む事業者向け融資制度「農林水産物・食品輸出基盤強化資金」を活用し、日本政策金融公庫から17億円調達する契約を締結。両制度を併用した事例は国内初。
 植物肉は従来油を搾り取った後の大豆を使用するが、同社では独自技術「落合式ハイプレッシャー法」をコア技術とした製法により大豆そのままを原材料とした植物肉を製造するため、栄養価や味、風味などで従来品に比べ利点が多い。同社は畜肉や魚肉と混ぜて活用する「ハイブリッド戦略」を提唱しており、2050年までに起こるとされる食肉不足問題解消における一つの選択肢として提案していくという。
 井出社長は「機能性やコスト面、味など評価され、現在も大手コンビニではツナおにぎりやナゲットの30%にミラクルミートが使用されている。動物肉に混ぜることが一般化し、ビーガン以外の方に植物肉が浸透することを期待している」と話している。
_くまもと経済 業界NAVI_:2023年12月30日発行 No.511

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