大津町と菊池市に繁殖用、肥育用豚舎を建設
　セブンフーズ�梶@総事業費は１７億円

養豚業の農業生産法人・セブンフーズ�梶i菊池郡大津町杉水、前田佳良子社長）は、同町矢護川と菊池市旭志麓にそれぞれ繁殖用豚舎と肥育用豚舎を建設している。土地の取得費用を含めた建設費用は約１１億円、稼働までの総事業費は約１７億円を見込む。いずれも完成・稼働は来年３月を予定している。
繁殖用豚舎の場所は湯舟溜池南西側。敷地面積３万３千�u。ＡＩ（人工授精）センター、母豚育成舎、離乳母豚舎、妊娠豚舎、分娩（ぶんべん）用豚舎、離乳豚舎など計２６棟を建設する。すべて鉄骨造り平屋建て、延べ床面積は１万１４９２�u。母豚数は１０５０頭で、およそ１週間ごとに５００頭の子豚を生産できる。
肥育用豚舎の場所は繁殖用豚舎の北側。敷地面積は３万９千�u。中豚舎（７０�sまで肥育）８棟と肉豚舎（出荷規格まで肥育）８棟の計１６棟を建設する。すべて鉄骨造り平屋建て、延べ床面積は１万９０９�u。大津町の繁殖用施設で体重３０�sまで成長させた子豚を出荷規格の１１０�s程度まで肥育する。
両施設フル稼働時の出荷頭数は年間２万３千頭で、全体では既存施設（大津町杉水）の出荷頭数から約９倍の生産増となる。また両施設とも同社開発の汚水処理法・セブンシステム（特許取得済み）を導入する。同システムは専用の生菌剤を飼料に添加するため、ふん尿の臭気が少なく、発酵床（バイオベッド）での分解を促すことができるため汚水処理のための浄化槽を設置する必要がない。また床材は３年間繰り返し使うことができるため完熟発酵した堆肥（たいひ）を製造することができるという。従業員は両施設で１５人程度を新たに雇用する。
同社は１９９３年９月に設立、資本金は２２００万円。年商は１億円で、新施設のフル稼働後は年商９億円を見込む。新施設の建設は取引先である豚肉卸業�潟Xターゼンミートグループ（東京都港区）からの出資と、農林水産省の広域連携アグリビジネスモデル支援事業による補助金を受けている。前田社長は「セブンシステムの対外的アピールも兼ね、事業規模の拡大による豚肉の安定供給を目指す」と話している。 （東）