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がん温熱療法ハイパーサーミアの治療装置導入
 松橋耳鼻咽喉科・内科クリニック 症状緩和に効果

 松橋耳鼻咽喉科・内科クリニック(松橋町きらら2丁目、松吉秀武院長)は、がん温熱療法ハイパーサーミアの治療装置を導入した。
 がん温熱療法は、がん細胞が42・5度以上に温度が上がるとがん細胞の血管は拡張できず、オーバーヒートした状態で死滅してしまう一方、正常細胞は同様に温められても血管が拡張し、血流が増加して熱を下げる性質を応用して行う治療法。頭部を除く全部位のがん治療に対応できる。同クリニックが導入した最新の高周波温熱治療装置『サーモトロンRF8 EX Edition(山本ビニター製)』は、高周波を利用して身体の外からがん病巣を領域的に温める外部加温方式の装置で、42〜44度の加温によりがん組織の直接的な壊死効果が得られる。また、周辺組織が39〜41度に加温されることで、身体の免疫力も活性化する効果があるという。病期(早期、再発、転移)に関係なく応用でき、延命効果や疼痛緩和、食欲増進、体力回復など症状緩和が得られる。治療に伴う副作用もほとんどなく、長期間にわたって何回でも治療ができることなどが特徴。治療は患者の症状や体力に応じて1週間に2〜3回行い、治療時間は1回40分程度。2月15日の導入後1カ月間で、耳鼻科領域の頭頸部がんの頸部リンパ節転移や耳下腺がん、卵巣がん、膵がん、肺がん、食道がん、胆管がんなど62例を施行した。
 松吉院長は、「がんの標準治療である手術、放射線、抗がん剤治療との併用で、より効果を発揮する。例えば手術前後の利用で再発抑制や根治率改善の可能性が報告されているほか、放射線や抗がん剤治療でも、がん細胞の感受性を増感させ、抵抗性を低減する効果で治癒率を向上させる。また、抗がん剤の投与量を軽減できるなど、治療法の工夫で多数の成果が報告されている。当院でも独自に施行している自家がんワクチン療法や丸山ワクチン療法、超高濃度ビタミンC療法との併用で免疫機能を高め、治療効果を高めている。県南地域では唯一、当クリニックでがん温熱療法が受けられることから、宇城地区では国立病院機構熊本南病院を中心に行われているがん治療合同カンファレンスなどにも参加しながら病診連携を図り、地域のがん治療に貢献していきたい」と話している。(甲木)
週刊経済:2015年4月14日発行 No.1820

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