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くまもと経済最新号Latest Issue

2016年3月 Vol.417表紙
2016年3月 Vol.417
表紙の人
「法人強化で少子化社会に挑む」
目黒純一
(熊本学園 理事長)

特集

「人口減少時代に挑む」

交流人口拡大そして定住人口減少抑制の風景

急増!インバウンド3000万人時代へ!?

訪日旅行にFTI化の兆し―地域の魅力発信で誘客増へ

 2015年に日本を訪れたインバウンド(訪日外国人旅行者)が、前年を630万人上回り過去最高の1973万人となった。国は2020(平成32)年を目標に年間2000万人の誘客達成を揚げてきたが、5年前倒しでほぼ目標を達成。安倍首相は2030年の目標を3000万人に引き上げた。好調に推移するインバウンド誘致の経済効果を取り込み、少子高齢化や人口減少で活力喪失が懸念される地域の活性化につなげるというのが政府シナリオだ。これまで団体旅行が多かったアジアからの訪日観光のスタイルが、FIT(海外個人旅行)に変化する兆しも見えてきた。これからはインバウンド効果の取り込みに「FIT対応」が加わりそうだ。

拡大する国際線効果、取り込み本格化

定期便で宿泊増、広がり見せる“体験型観光”

 アジアを中心とした旺盛な旅行需要で国際線旅客数が伸びている。阿蘇くまもと空港(益城町小谷)の15年度国際線旅客数は、県によると過去最高となった14年度の5万1700人を超える見通しだ。福岡空港も前年の346万人から15年は435万人と大幅に伸びており、過去最高を更新している。こうした状況を受けて県内に入り込むインバウンドは増加しており、さらにこの流れを取り込もうとする動きも官民で本格化し始めた。着物着付けやイチゴ狩りなど「体験型」の観光が人気を集めているほか、自治体でも定期便就航を輸出拡大やインバウンド誘致による宿泊客増加につなげようと積極的だ。空路による県内のインバウンド効果を見る。

クルーズ船、心配は「入港キャパ」と「地元経済効果」 八代港クルーズ船観光

 2015年、外国クルーズ船の入港回数が前年の1回から10回に急増した八代港。世界第2位、総トン数16万7000トンの超大型クルーズ船の入港は県内の話題となった。地元八代の頑張りでにわかに交流人口拡大の拠点として注目を集める八代港だが、県下最大の物流港を舞台としたクルーズ船観光の拡大は、港湾機能という現実の厚い壁に阻まれるかもしれない。また、クルーズ船の寄港増加で期待される地元への経済波及効果は、“期待値”に及んでいない状況だ。交流人口拡大の新たなツールとして熊本に加わった外国クルーズ船を巡る現状を取材した。

機運高まる訪日客受入態勢整備

外国人おもてなし向上P(プロジェクト)」の受講生500人超、阿蘇市はDMO設立を検討

 インバウンド(訪日外国人旅行)の急激な伸びを背景に、県内の訪日客の受入態勢を整備しようという機運が高まっている。県が官民連携でスタートさせた「外国人等おもてなし向上プロジェクト」は、講座参加者が500人を超えている。熊本市の中心商店街では国が創設した新免税制度“免税商店街”の実現を目指した取り組みが始まっている。阿蘇市は、国が地方に設立を推奨する観光地づくりの司令塔兼実働部隊ともいえるDMO(Destination Marketing/Management Organization)の設立検討に28年度着手する。阿蘇市内牧の旅館経営者は、阿蘇の観光関連事業者などとタイアップして“民間版DMO”ともいうべき会社の設立準備を進めている。盛り上がりを見せるインバウンド受入態勢整備を取材した。

熱気増す「アジアのゲートウェイ」 フクオカ・レポート

需要高まる福岡インバウンド

 2015年に外航クルーズ船の寄港回数が245回と日本一の寄港数を誇る博多港、15年の国際線旅客数が前年比26%増で435万人と過去最高を記録した福岡空港。海・空ともに「アジアのゲートウェイ」を標榜する福岡の勢いを物語る数字と言える。また、福岡・商業の核である天神地域では、インバウンド取り込みに向けた免税対応店が新たに増え、4月には国内3番目となる空港型市中型免税店がオープンする。港、空港を中心に福岡のインバウンドの現況をした。

雇用拡大で若者の県内就職を促進

魅力ある仕事で人口流出抑制へ

 県外への転出を上回る人口の社会減が続いている。社会減のピークであった1970年と比較するとその減少幅は減っているが、何も対策を講じなければ、2060年に県の人口は117.6万人まで減少するという調査結果が出ている。特に、若者の県外流出に歯止めがかからず、若年層(15歳〜19歳、20歳〜24歳)に転出超過が集中している。県内の大学を卒業する学生の約半数が県外企業へ就職している。また、卒業後就職する高校生も3割、工業高校に至っては6割が県外に就職している現状だ。県内では企業、行政、大学が連携し、雇用の受け皿の拡大や労働環境の整備、県内企業の周知によって人口流出の抑制策を模索している。事業に取り組む現場を取材した。

表紙の人
目黒純一 熊本学園理事長
法人強化で少子化社会に挑む

 昨年11月、熊本学園(熊本市中央区大江)の第9代理事長に目黒純一理事が就任した。同大学では今年1月に副学長制を導入し円滑な運営とガバナンス強化を図る。また、水俣学や会計学など専門性が高く、地域に根ざした先進的な研究・教育に取り組む。現在、進めている財政健全化3カ年計画と、策定中の中期経営計画で法人強化を図り、18歳人口が減少する2018年問題への対応と、九州屈指の私立大学としての復活を目指す。目黒理事長に就任に対する思いや学園の展望について話を聞いた。

グラビア

■低燃費・低排出の世界最大級自動車運搬船が完成  ジャパン マリンユナイテッド
■2代目イルカ、就航スタート  天草エアライン
■インバウンド急増、生かせるか“神風”
■空路の“アジアンパワー”を県内に
■寄港増も、貨物船との岸壁利用調整重く
■クルーズ船急増、高まる福岡インバウンド
■人口流出抑制に向け、雇用拡大に挑む
■食と観光面から地域振興を後押し 「2016くまもと地域振興フェア」
  肥後銀行・熊本産業文化振興
■新会長に片桐英夫寺原自動車学校社長が就任  くまもと21の会
■大阪のくまモンファン交流イベントに約5万人が来場  熊本県
■500人で東秀優弁護士の藍綬褒章受章祝う  小杉直熊本県議会議員ら発起人
■“早期商品化”へ研究活動報告会  フードバレーアグリビジネスセンター(八代市)
■ミス日本2016グランプリ 松野未佳さんが来熊
■420人が集い200回目を開催  フレンドリークラブEXECUTIVE
■「旭櫻」復刻13年会場満杯の200人で蔵出し祝う  旭櫻を楽しむ会

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